人間以上に滑らかな動作で、繊細な作業をスピーディーにこなす「ロボットアーム」に、筆者は幼い頃から憧れを抱いてきた。初めて見た実物は、広島県の土産物店で展示していた「もみじまんじゅう」の製造ロボットだ。

 工程の終盤、焼き上がったふにゃふにゃのまんじゅうをロボットアームがそっと持ち上げ、一瞬で個包装用のセロハン紙を巻き付けていく姿に、目がくぎ付けになった。人間とロボットが協働する未来はもう近い――。そう実感させるわくわく感がたまらないのだ。

 そんな筆者にとって絶好の取材テーマとなったのが、日経コンストラクション2019年7月8日号で特集した建設用3Dプリンターだ。セメント系材料の3Dプリンティングでは、ロボットアーム型のプリンターが主流となっている。先端のノズルからクリーム状のモルタルを吐出し、積層して構造物やその部材を築き上げる技術の開発が国内外で進んでいる。

 まだ試験施工の域を出ない事例も多いが、この1年ほどで建設用3Dプリンターへの関心は急速に高まったと感じる。

大林組技術研究所の敷地内で施工中の「シェル型ベンチ」。特殊なモルタルを使い、3Dプリンターで部材の型枠を製造する(写真:日経xTECH)
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 直近の数カ月でも、関連する発表やイベントが相次いだ。例えば、9月上旬には大林組が、国内最大規模の大型構造物を築造できる3Dプリンターの開発を発表。特殊モルタルを吐出する3Dプリンターで構造物の型枠をつくり、そこに超高強度繊維補強コンクリートを流し込む方式で、自由度の高い形状を実現できるという。

 海外の動向からも目が離せない。欧州のスタートアップを中心に、3Dプリンターによる斬新な形状の橋や住宅の建設プロジェクトを、続々と打ち出している。

オランダのスタートアップVertico(ヴェルティコ)が2019年9月16日に発表した3Dプリンター橋(写真:Vertico)
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