屋根材の飛散による人身事故が起こると「天災」として片付けられることが多い。本当にそうだろうか。原因をよく調べてみると、天災はごく少数で、本当は人災であることが圧倒的に多いと記者は考えている。1年前、大阪市内で起こった屋根飛散による死亡事故はその端的な例だ。

 事故は2018年9月4日、近畿地方に深い爪痕を残した台風21号が来襲した当日に起きた。大阪市内のマンションの8階に住む70代の女性が、飛来した屋根材の直撃を受けて死亡するという大変痛ましい事故だった。この一件はテレビや新聞で報道され、多くの人に衝撃を与えた。

2018年9月4日に屋根の飛散事故が起こった、大阪市内のマンション。8階に住む70代の女性が、屋根材の直撃を受けた亡くなった。取材の結果、屋根材を飛散させたのは、現場から約150m離れた3階建ての建物と判明した(写真:日経 xTECH)
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 ニュースに接した人々は、この事故を天災とみた。例えばネットには次のような書き込みがある。「8階に屋根が飛んできて人に当たるなら、誰が悪いとか言うレベルを超えてる」。台風21号はまれにみる大型台風だったから、「事故に遭った人は不運」と見えるのかもしれない。しかし、本当に不運の一言で片付けてよいのか。

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