2019年10月1日の消費税率引き上げまで1カ月を切った。フリーランスのITエンジニアはどんな準備をすべきなのか。ちゃんと知っておかないと“買いたたき”に遭ってしまう恐れもある。

 この疑問を税理士にぶつける機会に恵まれた。freeeが2019年8月23日に開催した軽減税率制度の勉強会だ。登壇した菅野浩司税理士に聞いたところ、必要なのは契約書の再確認であるという。

菅野浩司税理士事務所の菅野浩司税理士
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 今回の消費増税には大きく3つのポイントがある。1つめは2019年10月1日から税率が8%から10%へと引き上げになること。2つめは飲食料品や新聞は8%の軽減税率が適用となること。3つめは2023年10月1日から消費税の仕組みを大きく変える「インボイス制度」が導入される予定であることだ。

税率10%の適用タイミングは契約内容で変わる

 最初の筆者の疑問は「フリーランスエンジニアは増税時に何をすべきか」。菅野税理士は「増税分はきちんと上乗せして請求すべきだ。請求書に記載する税率を間違えないようにする必要がある。どういう契約になっているのか、改めて契約書を確認したほうがいい」と回答した。

 ソフトウエア開発やWebサイトの保守作業など労働力の提供に対して企業から支払いを受ける契約の場合、サービス(役務)提供の「完了する期間」が重要になるという。例えば「(1)日ごとや月ごとに役務提供が完了して満了日まで更新する」と「(2)満了日まで役務を提供して完了する」の2つのパターンでは、同じ役務の提供でも消費税率の適用の仕方が異なるという。

 (1)のパターンで、1日ごとに役務提供が完了する契約になっているとしよう。その場合、2019年9月30日分までは8%、2019年10月1日分からは10%の税率を適用する。(2)のパターンでは「満了日が2019年10月1日以降になるのであれば、全期間分で増税後の10%を適用するのが原則となる」(菅野税理士)。

 完成したソフトウエアの納品に対して企業から支払いを受ける契約の場合は「納品日が2019年10月1日以降なら、増税後の10%の税率を適用するのが原則だ」(菅野税理士)。ただし、適用する税率について契約書に特別の記載があったり、旧税率の8%を適用する経過措置の対象になっていたりする可能性がある。

 面倒かもしれないが、早めに契約書を確認して、請求書に記載する消費税の税率を発注元の企業とすり合わせておくのが無難だろう。

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