2019年10月の導入に向けて、携帯電話料金の競争を促すための新しいルールの準備が最終段階に来た。

 総務省は2019年08月23日、同省の諮問機関である情報通信行政・郵政行政審議会から、携帯電話料金と端末代金の完全分離などを盛り込んだ改正電気通信事業法の施行規則を認める答申を受けたと発表した。これで新ルールの導入が正式に決まった。

改正電気通信事業法施行規則の原案となる新ルールを議論した有識者会合の模様(2019年6月)
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 2019年10月は、楽天モバイルが自社設備で携帯電話事業に参入し、NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクで長く続いた3社横並び体制が崩れる。携帯電話の料金競争を制度で後押するには絶好のタイミングだ。

 10月には消費増税も控えている。関係者によると、携帯電話料金の値下げを促す政策を指示した菅義偉官房長官は10月に新ルールの導入を間に合わせるよう厳命したという。菅官房長官は携帯電話の料金値下げによって消費の落ち込みを緩和する効果を期待している、というのが関係者の見立てだ。

 しかし少なくとも2019年内は携帯電話の料金競争が進まない公算が高まっていると記者は見ている。料金の選択肢がさほど増えず、拘束力が強い2年縛り契約を巡る状況も実質的には変わらない。こんな悪いシナリオが現実味を帯びている。携帯電話大手3社がしばらく様子見をする公算が高まっているからだ。

楽天は「スモールスタート」で脅威にならず

 料金競争を促す総務省の新ルールの骨子は大きく2つある。1つは端末購入補助の制限だ。端末代金の補助として月々の通話料金を割引するなど、回線契約を継続することを条件にした端末の購入補助は一切禁止される。契約継続を条件にしない場合でも購入補助を「最大2万円」に制限する。通信料金と端末価格をそれぞれ比較しやすいようにする狙いである。

 もう1つは「2年縛り」のような拘束力が強い定期契約の是正だ。現在、期間拘束がある定期契約の違約金は携帯大手3社が9500円に設定している。新ルールはこれを「最大1000円」までに規制し、解約のハードルを一気に下げる。また期間拘束契約と拘束がない単月契約の料金格差は「最大で月額170円」に制限し、期間拘束契約へと利用者を強く誘導する手段も封じた。

 新ルールは携帯大手3社に加えて、新規参入する楽天モバイルや契約回線数100万件以上のMVNO(仮想移動体通信事業者)にも適用される。同じ土俵で携帯大手3社と新興勢力の通信料金を比較しやすくして料金競争を促す狙いだ。

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