「お母さんがお客さんと電話でしゃべっているのに子供が近くで遊ぶ声が入ったり、『宅配便です』といった声が入ってしまったりするでしょ。消さなきゃまずいじゃないですか」。自宅でのテレワークについて、ヘッドセットなどの音響関連機器を開発・販売する長塚電話工業所の長塚将社長はこう描写する。

 2018年7月23~27日には政府主導のテレワーク試行キャンペーン「テレワーク・デイズ」が開催され1380社が参加、延べ約30万人が実践するなど、テレワークは多様な働き方のひとつとしてすっかり認知されている。制度としてテレワークを取り入れる企業も増えている。

 ただ自宅でテレワークをする場合、どうしても仕事とプライベートの境界が崩れてしまう瞬間がある。冒頭のようなケースだ。自宅に仕事専用の部屋があったり、生活音を遮断できる空間を用意できたりすれば問題にはならないだろうが、そのような例はまれだ。通話中に相手の生活音が聞こえてきても気にしない人もいると思うが、自宅でテレワークをする側の心理としては、顧客らとの会話の際に少しでも生活音を抑えようと気を使うのが実情ではないだろうか。

マイクを首に「巻く」

 そもそも生活音が通話相手に聞こえるのは話者側のマイクがその音を拾ってしまうからだ。一般的にマイクは空気の振動を音として拾う。指向性が高いマイクは存在するものの、話者の声を空気の振動として拾う限り、同じ方向から別の音が入ればそれも拾ってしまう。だが、こんな問題を解決する道具がある。話者の声だけを厳密に拾うマイクが存在するのだ。話者の声を空気の振動ではなく、話者自身の皮膚に伝わる振動から拾う皮膚伝導マイクである。

長塚電話工業所が開発・販売する皮膚伝導マイク「ND80-P003」を首に装着した例
(出所:長塚電話工業所)
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 皮膚伝導マイクは話者の音声のみを正確に相手に伝えることができ、背景の雑音などの影響を受けない特徴がある。そのため騒がしい場所でも気にすることなく使える。そんな皮膚伝導マイクを2年前から販売しているのが冒頭の長塚電話工業所だ。長塚社長は「市場からの要望として雑音を入れないヘッドセットがほしいとの声があった」と語る。

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