レオパレス21が設計・施工を手掛けた賃貸集合住宅の施工不備問題が収束しない。約3万9000棟の全棟調査が進む中で、建築基準法や消防法上の法令違反が次々に見つかっており、建物の是正改修は遅々として進んでいない。同社は2019年7月31日、自社施工物件の全棟調査の完了時期を19年10月末に、優先調査対象物件の改修工事の完了時期を20年6月末にそれぞれ延期すると発表した。追加調査の発生や人員不足などを理由に挙げている。

 全棟調査の対象は1991年から2018年までに着工した全53シリーズ。界壁未施工などの不備が確認された自社施工物件は、19年6月末時点で1万9689棟に上る。一連の施工不備を巡っては様々な問題点が指摘されているが、建築士事務所を管理し技術的事項を統括する立場の「管理建築士」の存在が見えて来ない。

2019年5月29日、外部調査委員会が最終報告書をまとめたことを受けて、レオパレス21が開いた会見の様子。左から順に、取締役常務執行役員(会見時、以下同)の宮尾文也氏、代表取締役社長の深山英世氏、施工不備問題緊急対策本部責任者の蘆田茂氏、同部副責任者の平坂弘幸氏。深山氏は、「報告書はその通りだと思う。だが、自分の思いは若干違う」と弁明した(写真:日経アーキテクチュア)
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 レオパレス21は19年5月29日、自社施工物件の施工不備に関し、外部調査委員会(委員長:伊藤鉄男・西村あさひ法律事務所弁護士)がまとめた最終報告書を公表した。報告書は全社的・組織的不正と認定し、「確認済み証をだまし取っていた」と断じた。その上で、施工不備が生じた本質的な原因・背景を、(1)事業拡大を最優先したこと、(2)ワンマン体制に陥ったこと、(3)順法意識が低く、当事者意識も欠如していたこと――と結論付けた。

 落ち度があったと名指しされた元社長の深山祐助氏(06年退任)は、委員会のヒアリングに対し、「アイデアは出したが、全てを建築士に任せて法律に違反することはないと信じていた」とし、一連の不備は「知らなかった」などと答えたという。創業者である深山氏は、アイデアを着想する点をもって「特級建築士」を自称していたが、建築士資格は持っていなかった。

 報告書によると、レオパレス21は「株式会社レオパレス21一級建築士事務所」との名称で建築士事務所登録をしている。国内各拠点に支店を有しており、各支店には支店を管理する一級建築士が配置されている。同事務所はレオパレス21と実質的に一体運営されている。当時、管理建築士をはじめ、多くの建築士が在籍していたはずだが、誰も意見を言えなかったのか。報告書には、管理建築士に関する記述はほとんどない。

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