「今、パリの街ではシェア自転車サービスで『ofo(オッフォ)』と『Velib(ヴェリブ)』が争っているわよ」。

 フランスのスタートアップ企業を取材するため訪問したパリで、お世話になった民泊ホストのおばさんからそんな話を聞いた。「これまで使ってきたVelibもいいけど、ofoは乗り捨てできるから便利よね」。

パリ市街のランドマーク、凱旋門
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 Velibは2007年からパリ市が10年近くにわたり提供しているサービスで、自治体が提供するシェア自転車の草分け的な存在だ。「ステーション」と呼ばれる専用の駐輪場から自転車を借りることができる。2018年1月から運営会社が変わり、電動自転車をラインアップに加えるなど車両やシステムを刷新した。

 一方の「ofo」は中国発のシェア自転車サービス世界大手で、2017年12月にパリに進出した。ステーションを使わず、街中に乗り捨てることが可能だ。

 Velibは2018年1月のシステム移行に手間取って混乱が生じ、利用者の反発を招いた。ofoはその敵失をうまく突き、同じ時期に参入していた「摩拝単車(モバイク)」などのライバルを抑え、老舗のVelibに伍する存在になりつつあるという。

 日本でもNTTドコモ、ソフトバンク、LINE、メルカリと参入が相次ぐシェア自転車。先進の地であるパリ市街での勢力争いは、日本のシェア自転車の未来も暗示する。取材の足として、早速両者を試してみた。以下、写真をベースに両者の使い勝手の違いを紹介しよう。

写真でみるステーション型「Velib」の使い方

Velibはパリ市が2007年から提供するシェア自転車サービス。「ステーション」と呼ばれる専用の駐輪場が街のあちこちにあり、ここから自転車をセルフで借りることができる。空いているステーションならどこでも返却できる
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専用アプリでステーションの位置と利用可能な自転車の台数、返却可能なステーションを表示できる。パリ市街はステーションが充実しており、おおよそ2~3分歩けばどこかのステーションに行き当たる。返却で困ることはほぼない
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1日利用券として5ユーロ(約650円)を支払えば、1回30分以内であれば追加料金なしに何度でも使える。各ステーションに設置された支払い機のほか、スマートフォンアプリからも決済できる。課金後、スマホアプリにアクセスコード(8桁)とPIN(4桁、デフォルトは誕生日)が表示される
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アクセスコードとPINを入力すればステーション側のロックが外れ、使えるようになる。コード入力の代わりに無線ICカードをかざして開錠することも可能で、このあたりの使い勝手は都内でサービスを展開するドコモ・バイクシェアに近い
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いざ市街へ。自転車は歩道通行禁止。そこかしこに自転車専用レーンが整備されているが、やはり自動車と自転車の並走は細心の注意を要する。特に右折(日本でいう左折)巻き込みには注意
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目的地周辺に着いたら、近くにあるステーションをスマホアプリで探し、ステーションのロックに前輪を差し込む
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これで返却完了。あとは徒歩で目的地に向かえばいい
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