公正取引委員会は2018年6月28日、携帯電話市場における競争政策上の課題をまとめた報告書を公表した。報告書は通信と端末のセット販売や中古端末の国内流通制限、期間拘束と自動更新付きの契約などが独占禁止法上の問題となる可能性を指摘。「スイッチング(他社への乗り換え)コストを高めることにより、利用者を不当に囲い込む行為に対しては独占禁止法を厳正に執行していく」と締めくくった。

6月28日に公表した報告書の概要
出所:公正取引委員会
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 こう説明すると、大ごとに感じるかもしれない。派手な報道も多かったが、筆者は少し冷めた目で見ていた。公取委は2年前の2016年8月にも似たような指摘を出しており、独占禁止法上の問題として本当に処分を下すのか、実効性に疑問を感じたからだ。

 例えば通信と端末のセット販売。2年前と同様、今回も「端末代金を大幅に値引く販売方法により、他の事業者(格安スマホ事業者)の事業活動を困難にさせる場合には、私的独占等で独占禁止法上問題となるおそれある」とした。しかし、これを立証するのは相当に難しい。改めて2年前の報告書を振り返ると、改善された内容は一部にとどまり、今回も同じ結果に終わるのではないかとの印象だった。

前回(2016年8月)の報告書の概要
出所:公正取引委員会
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 実際、携帯電話大手3社は今回の指摘を受け、改善できる部分については検討していく考えを示すが、肝心の4年縛りについては見直す気配がない。報告書はあくまで「おそれがある」との指摘にとどまるため、筆者のように大きな影響はないと見ているのだろう。

 ただ有識者によれば、今回は前回と大きな違いがあるという。大手3社は高をくくっていると、処分が下る可能性も十分にあるとの見立てだ。

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