頭上から響く音は隣室や階下から聞こえる音よりも気に障ると言われる。集合住宅ならば近隣住民との話し合に発展するところだが、はるか上空から聞こえる航空機の音にはどう対応すべきだろうか。

羽田空港の国際線の増便で必要とされる新飛行ルート。航空機が都心上空を低空で通過するため、ルート上にある地区からは騒音などを懸念する声が上がっている(資料:国土交通省航空局)
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 2020年に迫る東京五輪や急速な海外旅客の増加を受け、羽田空港を発着する国際線の増便が急務になっている。国土交通省航空局が15年にまとめた「羽田空港のこれから」によると、政府は滑走路の使い方や飛行経路の見直しによって、国際線の年間発着枠を20年に15年比で1.7倍の約9万9000回に増やす計画だ。

 そこで政府は、都心上空を通る航空機の新飛行ルートの開設を目指している。ルートの運用は午後3時から午後7時まで。在日米軍が管轄する「横田空域」の一部を通過して高度を下げ、東京都品川区の上空およそ300mを飛んで羽田空港に着陸する。A滑走路に到着するルート(下の図の緑線)は1時間に14便ほど、C滑走路ルート(同赤線)は同30便ほどが通過する見込みだ。

東京都品川区周辺の新飛行ルート。A滑走路に到着するルート(緑線)は1時間に14便ほど、C滑走路ルート(赤線)は同30便ほどが通過する(資料:国土交通省航空局)
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 国は新飛行ルートの運用などについて首都圏で説明会を開き、ルート上に暮らす住民の理解を得ようと努めてきた。しかし不信感は拭えていない。議会も住民の不安に呼応した。19年3月には品川区と東京都渋谷区の議会が騒音などを懸念して、ルートの見直しを求める決議を全会一致で可決している。

 では、住民などが問題視する騒音とは一体どの程度のものであろうか。国交省の資料によると上空約300mまで航空機が降下する品川区大井町付近では音の大きさが瞬間最大値で80dB(デシベル)になると試算している。身近な音で比較すると掃除機の使用音程度のうるささだ。

航空機が発する音と高度の関係を示した図。航空機が上空300mほどを通過する品川区大井町付近では音の大きさが瞬間最大値で80dB(デシベル)になる見込み(資料:国土交通省航空局)
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 しかも、この音の大きさは“瞬間最大値”だ。ごく短時間に響く航空機の音を気にするあまり自宅の防音対策を講じようとするならば、慎重に検討した方がいい。

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