やはり終わらなかった。スマートフォン決済サービスの利用者獲得に向けた還元キャンペーンのことだ。PayPayとメルペイ、LINE Payの3社は2019年6月24日、3社合同の還元キャンペーンを7月に実施すると発表した。全国のセブン‐イレブン店舗で7月1日から各社のサービスが使えるようになるのに合わせ、いずれかのサービスを使って支払った金額の20%を還元する。期間は7月11日から7月21日までで、還元額の上限は各サービスについて1000円だ。

 3社が合同でキャンペーンを実施するのは初めて。7月は第1弾で、8月にも第2弾を予定しているという。

 ご存じの通りスマホ決済サービスを手掛ける各社はこれまでも大型還元のキャンペーンを実施してきた。火付け役となったPayPayは総額100億円還元をうたうキャンペーンを2018年末と今春の2度にわたって実施。LINE Payもこの5月に、還元総額300億円のキャンペーンを実施した。ときに芸能人を起用し、派手な「バラマキ合戦」を繰り広げてきた。

 大盤振る舞いしている印象もあるスマホ決済各社の還元キャンペーン。だが各社が利用者獲得に向けて本気で投資するのならまだまだ「序の口」で、大盤振る舞いとは言いづらいと記者は考えている。数百億円規模の数字が並ぶがこれはあくまで総額で、利用者1人当たりにならすと違う景色が見えてくるからだ。

 スマホ決済事業者は利用者を1人獲得するために、還元キャンペーンでいくら投じたことになるのか。還元キャンペーンの代表格であるPayPayについて、公表数字を基にざっくり試算してみた。

 同社の共同出資元であるヤフーが2019年4月25日に発表した2018年度通期の決算説明資料によると、2018年10月のサービス開始から6カ月間の累計登録者数は600万人。同期間に100億円還元キャンペーンを2回実施したので投資額は200億円。つまりキャンペーンだけの1人当たり投資額は200億円÷600万人で3333円だ。

 PayPayは6月にも「PayPayチャンス」と題した還元キャンペーンを実施している。内容は決済20回につき1回の割合で最大1000円を還元するというもの(1人当たりの還元額の上限は1カ月当たり3万円)。同じくヤフーの決算説明資料によるとサービス開始6カ月間の決済回数は2500万回なので、1カ月当たり416万回。還元する回数は20回に1回だから1カ月当たり20万8333回。ざっくり1カ月当たり21万回に還元したとすれば、6月の1カ月間の還元額は最大で21万回×1000円で2億1000万円だ。

 同じ期間に利用登録者はどれくらい増えたのか。5月末時点の登録者数は700万人。4月の発表時点で600万人なので、1カ月で100万人増えたことになる。サービス開始6カ月で600万人なので、1カ月当たり100万人増のペースは変わっていないようだ。6月も同じ増加ペースを維持したとしたら、6月の1カ月間の還元額2億1000万円を100万人で割ると1人当たりの投資額は210円となる。

 つまり、2度の100億円キャンペーンと6月に実施した「PayPayチャンス」を合計すると、1人当たりの投資額は3543円。新規登録した利用者には500円を付与しているので、これを足しても4000円あまりだ。

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