IT業界には、業界内有名人ともいえるエンジニアがたくさんいる。有名Webサービス企業の最高技術責任者(CTO)、世界的に有名なソフトウエアプロダクトの作者、複数のIT企業の技術顧問を務めるエンジニアなどだ。こうした有名エンジニアは、イベントでも基調講演の講師といった重要な役割を務めることが多い。

 少なくともIT業界内では抜群の知名度を誇り、情報発信した内容がインターネットで話題になることも多い。こうしたエンジニアに尊敬の念を抱いていたり、目標にしていたりするエンジニアも多いのではないだろうか。

 こうした有名エンジニアを見ているうちに、いくつかの類型で分類できるのではないかと考えるようになった。「知名度への態度」によってパターン分けできる気がしてきたのだ。もちろん、有名エンジニアが自身の知名度をどう捉えているかを私が知る由はなく、講演やブログ発信などの活動を外から見えた上での、ただの推測に過ぎないが。

表舞台から消えるエンジニア

 私が考えるパターンは三つ。まず「知名度を恥じるエンジニア」だ。

 こうしたタイプとして念頭に置いているのは、盛んに情報発信やコミュニティ活動をしていたのに、ある日パッタリと情報発信をやめたり、いつの間にかフェードアウトしていたりするエンジニアだ。「あのエンジニアは以前は有名だったのに、そういえば名前を見なくなったな」という心当たりがある読者もいるのではないだろうか。

 情報発信しなくなった理由は、業務が忙しくなってそれどころではなくなったのかもしれないし、家庭事情などの個人的な理由かもしれない。実際には千差万別だろう。

 ただ、私にはそうしたエンジニアが妙に「知名度を恥じている」ように見えることがあった。フェードアウトする前、講演などで直に本人を見たときに、なんとなく居心地が悪そうにしているなという印象を受けたりしていた。

 高い知名度を持つにもかかわらず、自身の実力がその知名度に見合ってないと感じていたのだとすれば、過度に膨らんでしまった虚像を打ち消すために、自身の存在自体をアピールしなくなったのかもしれない。個人的には「あれほど活発に活動していたのにもったいない」と思うが、本人にしてみれば余計なお世話だろう。

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