業務改革(BPR)の徹底とサービスデザイン思考を基盤とし、「デジタルファースト」「ワンスオンリー」「コネクテッド・ワンストップ」の3原則に基づいて、利用者中心の行政サービス改革を推進する――。政府のeガバメント閣僚会議が1月に決定した「デジタル・ガバメント実行計画」を、行政サービスの側面から要約すると、このように表せる。

 2017年末のIT総合戦略本部・官民データ活用推進戦略会議の合同会議で安倍晋三首相が検討を指示した「住民票・戸籍謄抄本・登記事項証明書などの添付書類の撤廃」に加えて、「対面・押印・証明書提出などの本人確認手段の見直し」「引っ越し・介護・相続の際の手続きの官民をまたがるワンストップ化」なども、デジタル・ガバメント実行計画の「利用者中心の行政サービス改革」に含まれる事項だ。これらは、政府が今夏に決定する新しい国家IT戦略にも盛り込まれることになる。

 では、こうした行政サービスの改革を実現するためのシステム基盤としてはどのようなものを想定しているのか。デジタル・ガバメント実行計画は「プラットフォーム改革」として、システム面の改革アプローチもまとめている。これらの方針や計画は、今後の政府システム調達の「情報提供依頼(RFI)」や「競争入札」の要件に組み込まれることになるはずだ。主要な事項を整理してみる。

政府共通プラットフォームは2020年度に更新

 政府情報システムの新規開発・更改・大幅改修の際には、クラウドの活用を推進する。米オバマ政権はかつて「クラウド・ファースト」を掲げたが、日本政府は「クラウド・バイ・デフォルト」と表現している。

 この方針自体はこれまで通りだが、3月中をめどに基本的な考え方や課題を整理する。例えば民間のクラウドサービスを活用する場合に、技術面・管理面で十分なレベルかどうかを判断するための材料をまとめる。併せて、情報セキュリティ対策のための政府統一基準群を踏まえて、情報セキュリティの観点からも考え方を整理して提示する。

 クラウド・バイ・デフォルトを具現化する象徴的な案件となりそうなのが、政府情報システムのプライベートクラウド基盤「政府共通プラットフォーム」の更新である。2020年度中の稼働が目標であり、総務省は2018年度上期に整備計画を策定する。また、人事・給与などの府省共通システムを含む政府情報システム全般についても、クラウド活用の推進方針を踏まえた将来像を内閣官房IT総合戦略室や総務省で検討し、2019年度中に成案を得るとしている。

 デジタル・ガバメント実行計画では個別システムへの言及はほとんどないが、いくつか例外がある。その一つが「法人デジタルプラットフォーム」の構築だ。

 法人デジタルプラットフォームは、法人番号を基に企業の許認可・調達・補助金・表彰などの情報を集約するサイト「法人インフォメーション」を基に発展させる。各府省が保有する法人データをAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を介して自動的に集約・更新し、官民で活用できるようにする。

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