「ゲームをEthereum(イーサリアム)上で動かそうとしたら、バトル1回でものすごい手数料が掛かっちゃって……」。

 仮想通貨Etherの基盤であるEthereum上で動作するブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」を開発したdouble jump.tokyoの上野広伸CEO(最高経営責任者)は、こう言って苦笑する。

 2018年、Bitcoin(ビットコイン)やEthereumなどの主要な仮想通貨の価値が数分の1に下落した。2019年に入って価格の下落は落ち着きつつあるが、かつての一般投資家を巻き込んだ熱狂は過去のものとなった。

 それでもブロックチェーン技術の開発には、今も企業やベンチャーキャピタルなどから多額の資金が注がれている。ブロックチェーンゲームのような新たな用途が登場し、処理性能への要求は高まる一方。これに合わせ、従来の性能限界を突破する新たな技術も相次ぎ登場している。ブロックチェーンの処理性能を巡る需要と供給の事情を紹介する。

ゲームでブロックチェーンがパンク?

 ブロックチェーンゲームとは、ブロックチェーンを開発・実行環境に見立てたゲームの総称だ。ユーザーは、ゲーム内のキャラクターやアイテムをブロックチェーン上のデジタルトークンとして所有できる。一部の処理ロジックをスマートコントラクト(ブロックチェーン上のプログラム実行環境)に担わせる試みもある。

 「ブロックチェーンを使えば、実行コードもデータも全てオープンになった、新たなゲームを実現できる」。2018年4月に創業したdouble jump.tokyoの玉舎直人COO(最高執行責任者)は、ブロックチェーンゲームの魅力をこう語る。

 同社が開発したMy Crypto Heroesは、歴史上の英雄を集めて互いに戦わせるブラウザーゲームだ。ゲームキャラのトークンを事前販売して数千万円相当のEtherの調達に成功し、注目を集めた。2018年11月末にサービスを始め、現在は約2万5000人が同ゲームを楽しんでいるという。

double jump.tokyoが開発したブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」
(出所:double jump.tokyo)
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 これまで別の企業でスマホ向けのゲームアプリを開発していた上野氏や玉舎氏らがdouble jump.tokyoを創業したきっかけは、2017年11月に登場した、猫のトークンを集めるブロックチェーンゲーム「CryptoKitties」に衝撃を受けたことだったという。

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