正社員の10人に1人が副業中――。このようなリポートを人材派遣のパーソルグループのシンクタンク、パーソル総合研究所が2019年2月12日に発表した。

 「副業の実態・意識調査」と名付けられたリポートを見ると、正社員の10.9%が「現在副業している」と答えたという。現在は副業していないが、今後したいと答えた正社員は41.0%に上る。この数を多いと捉えるか少ないと考えるかは、それぞれが身を置く職場などによるだろうが、記者は多いと感じた。

 人材不足や働き方の多様化を背景に副業に関する報道が増える中、特にITエンジニアなど専門的な職種においては副業に携わる人が多くなってきたとの実感は持っていた。とはいえ、正直どのような動機で副業しているのかまでは深く考えたことがなかった。

 上記調査を含め、実際に副業している人に話を聞いてみると、ある傾向が見えてきた。それは「承認要求充足型」「課題解決型」ともいえる副業スタイルが身近になっていることだ。

職種の違いによる副業タイプの割合
(出所:パーソル総合研究所「副業の実態・意識調査」)
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 パーソル総合研究所の調査では、副業の理由を5つのタイプに分けている。具体的には、「自己実現を求めて」「キャリアの可能性模索」「現職の継続就業に不安あり」「なりゆき/頼まれ」「収入補填」である。

 同調査を見ると、職種が「IT技術・クリエイティブ職」「マーケティング・企画職」の人は副業に対して「自己実現を求めて」と「キャリアの可能性模索」が他の業種より高い傾向にあり、「収入補填」が低いと分かる。つまり、収入を増やすための副業ではなく、やりがいや成長を求めて副業に携わっていると推測できる。

本業との良い循環が副業を後押し

 実際、どうなのだろうか。マニュアル作成のクラウドサービス「Teachme Biz」を提供するスタディストでマーケティング職に携わる坂野元紀氏は、個人事業主として副業中だ。「時間や場所、組織に縛られない新しい働き方を個人で実現できるようになったら、もっと社会は元気になるのではないか」(坂野氏)。そんな思いから2015年11月に働き方に関するWebメディアを立ち上げ、その運営を手掛けている。

スタディスト マーケティング部の坂野元紀氏。副業としてWebメディアやWebサービスを開発・運営している
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 坂野氏は4年前まで大手SIのエンジニアだった。当時も本業とは別にプログラミングスクールの運営など副業を実践していた。コードが書けると「時間や場所、組織に縛られない新しい働き方」を実現しやすくなるとの思いからだ。

 大手SIを飛び出した今はプログラミングスクールの運営に携わっていないものの、前述のWebメディアとは別に、プログラミングを学びたい人とプログラミングスクールをマッチングするWebサービス「variiis」を2018年8月から副業として展開する。坂野氏が設計し、全てではないがコードも書いた。

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