CESを取材したのは今年でおそらく10回目だと思う。この間にCESの規模は拡大し、出展者も様変わりした。その年ごとに「主役」となる大きなテーマが2~3あるが、ここ数年であれば自動運転やIoT、AI、VR/ARなどが大きなトピックだったと思う。こうした話題はもはや“当たり前”になりつつあり、新鮮味に欠けてきた。それだけに筆者は、それぞれのテクノロジー分野で、小幅なアップデートが見られるだけではないか、と少々低めのテンションで今回を迎えた。

 プレスカンファレンスの顔ぶれも、パンチに欠けた。例えば、昨年であれば米国のヘリコプター大手メーカーBell Helicopter(ベルヘリコプター)がCESで初めてのプレスカンファレンスを開催し、「空飛ぶクルマ」と呼ばれるような、eVTOL機「Bell Nexus」を発表した。ブースには実機を出展し、来場者の度肝を抜いた(関連記事)。筆者も興奮冷めやらぬ中、その勢いで空飛ぶクルマの書籍を執筆し、2019年4月に発行した(空飛ぶクルマの書籍)。書籍の冒頭にベルのeVTOL機を載せたほどだ。だが、ベルは今回、新しいeVTOL機を発表したものの、プレスカンファレンスを開催しなかった。

「Bell Nexus」の展示には、多くの来場者が訪れた。2019年撮影(撮影:日経 xTECH)
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 入場を待つ長い行列が報道機関の間で「名物」となっている韓国サムスン電子のプレスカンファレンスも今回なくなった。同社の基調講演はあったものの、今回は推すものが少なかったのだろう。何より、同社にとってのCESのプレゼンスが落ちているのかもしれない。

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