2000年代半ばに国内で一世を風靡したインド製勘定系パッケージのシステム更新を巡り、各銀行の対応が割れている。新生銀行は同パッケージを新バージョンに更新した一方、じぶん銀行は他社製品に乗り換える方針だ。両行の決断が他の銀行のIT戦略にどのような影響を及ぼすのか。関係者は固唾をのんで見守っている。

 一時代を築いたインド製パッケージとは、オラクルフィナンシャルサービスソフトウェアが提供する「FLEXCUBE」だ。開発元は米シティバンクのシステム部門が源流であるインドのi-flexソリューションズで、オラクルが2006年までに買収していた。

 日本に上陸したのは2000年前後のことだ。当時の国産パッケージの半額ともいわれた抜群の価格競争力と海外での実績を武器に積極的な営業攻勢をかけた。

 国内でもかなり早い段階で採用したのが新生銀行だった。同行はFLEXCUBEを使い、オープン環境でシステムを構築。勘定系システムはメインフレームで動かすのが常識だった当時の銀行業界で、まさに常識破りの意思決定だった。日本長期信用銀行が経営破綻した後に生まれ変わった新生銀行は当時、コスト削減が最重要課題だったこともあり、その後のオープン勘定系ブームの先駆けと言える決断だった。

 だが、FLEXCUBEの日本市場の開拓は順風満帆とはいかなかったようだ。NTTデータや日本ユニシスといった国産ベンダーの厚い壁に阻まれたからだ。

 NTTデータの勘定系パッケージ「BeSTA」は60以上の金融機関が採用し、国内で断トツのシェア首位だ。日本ユニシスもWindowsで動作する勘定系パッケージ「BankVision」を武器に着々と採用行の数を伸ばしていった。そして時間を追うごとにFLEXCUBEが入り込む余地は狭まっていった。

 日本特有の銀行業務やFLEXCUBEに精通した人材の確保に苦戦したことも理由だ。イオン銀行は当初、FLEXCUBEを導入する計画だったが、要件定義が進まずに途中で断念し、BeSTAをベースにした日立製作所のシステムに切り替えた。そんな紆余曲折を経ながらも、新生銀行に続いてじぶん銀行などが同パッケージを採用し、稼働にこぎ着けていった。

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