2019年9月に台風15号が本州を襲ってから約4カ月が経過した。この台風で千葉県内の計6万7278件の住宅が損傷し、その多くはいまだに修理に取りかかれず、ブルーシートなどでしのいでいる。

2019年12月27日に取材で訪れた千葉県鋸南町の様子。屋根のブルーシートが目立つ。剥がれているブルーシートが少なくない(写真:日経 xTECH)
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 同年12月27日に被害の著しかった南房総市、鋸南町、館山市で活動する地元の住宅会社とボランティアなどを取材し、修理を早く進めるために2つのことが必要だと感じた。 

 1つは、被災者の元に出向いて住まい方のニーズを聞き取り、その人に適した助成金の活用や住宅事業者につなげる、ある程度専門知識を備えたボランティアの存在だ。

 修理が進まない原因として、被災者が既存住宅に住み続けるか住み替えるかを悩み、先に進めない点がある。様々な支援制度の情報を自分から取りに行けなかったり、理解が困難だったりする人も少なくない。

 鋸南町の復興ボランティアセンターで支援活動に当たる特定非営利活動法人アドラ・ジャパンの小出一博プログラム・オフィサーは次のように話す。「ボランティアは住宅が被災して困っている人がどこにいるかを知っているが、支援制度や修理に関する知識は限られる。ボランティアと自治体、住宅会社が連携して情報を共有し、困窮者に支援を直に届ける人材が欠かせない」

 過去の被災地では、参考になる取り組みが実施されている。16年の鳥取県中部地震を契機に導入された「鳥取県版災害ケースマネジメント」だ。発生から1年以上たっても修理に着手できない被災世帯を支援するために同県が導入し、恒久的な制度として条例で定めた。スタッフが個別訪問でニーズを聞き取り、抱えている問題を解決するための専門家チームを派遣する。

鳥取県版災害ケースマネジメントの概要(資料:鳥取県)
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