ソフトウエアテストの実行がうまくいくかどうかは、いかに準備できるかにかかっている。予定した日までにきちんとテストを完了させるための、テスト実行の順番を決定する方法とスケジュール作成のコツを紹介しよう。

ワカテ:テスト実行準備は作業工数の見積もりまで終わりました。あとは何をすればいいのでしょうか。

センパイ:ここまで終わったら、次はテスト実行の順番を決定して、テスト実行スケジュールを作成するよ。

ワカテ:順番ですか?テストケースがあるので、上から順にやればいいと思っていました。スケジュールも改めて立てないといけないですか?

センパイ:そう簡単にはいかないんだ。上から順番にテストするだけだと、余計な手間がかかってしまう可能性が高い。テスト実行の順番の決定、スケジュールの作成にもノウハウが必要なんだよ。

 テスト実行フェーズでは、テスト環境でテストケースを消化していく「テスト実行」の前段階として「テスト実行準備」を実施する。テスト実行準備では、テスト実行に必要な作業を洗い出して実行順番やスケジュールを決定する。

テストプロセスの全体像
テスト実行フェーズの最初に「テスト実行準備」を実施する
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 これには次の6つの作業が必要になる。前回はテスト実行準備の前半となる(1)~(4)を解説した。

(1)プロジェクト全体のスケジュールを確認する
(2)テスト実行に必要な作業を洗い出す
(3)制約事項を洗い出す
(4)作業工数を見積もる
(5)テスト実行の順番を決定する
(6)テスト実行スケジュールを作成する

 今回はテスト実行準備の後半、(5)テスト実行順番の決定と(6)テスト実行スケジュールの作成について解説しよう。テスト実行準備の主要なアウトプットを作成する作業となる。

(5)テスト実行順番を決定する

 この作業では、テストケースをどの順番で消化すべきかを決める。順番の決定で主に考慮するのは、「テスト実行の効率」と「機能の重要度と影響範囲」だ。

 テスト実行の効率が良いとは、最小限の工数でテストケースを消化できることだ。作業の無駄を省けるようにテスト実行順番を決める必要がある。順番を考慮せずにテストケースに記載された通り、上から順番にテスト実行をすると、思わぬ手戻りや余計な作業が発生する場合がある。テストに想定以上の工数がかかって、スケジュール遅延につながる恐れもある。

 具体例を挙げよう。あるテストケースでは、データ削除のテストがデータ登録のテストよりも上に記載されていたとする。このテストケースを上から順番に消化すると、データ削除のテストをするためにデータを登録し、データ登録のテストのために改めてデータを登録する、とデータ登録作業を2重に実施することになる。これは無駄な作業だ。データ数が1件や2件ならともかく、大量のデータが必要なテストの場合にはデータ登録だけで多くの工数が必要になる。

無駄な作業が生じるテストケースの順番の例
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