世界3大クラウドである米アマゾン ウェブ サービスのAmazon Web Services(AWS)、米マイクロソフトのMicrosoft Azure、米グーグルのGoogle Cloud Platform(GCP)を、38項目にわたり徹底比較する特集の第4回だ。前回はデータベースやデータウエアハウスを比較した。今回はAI(人工知能)関連サービスを比べる。AIのビジネス活用が進むにつれ、クラウドの選択ポイントとしてAI関連サービスはより重要になっている。クラウドAIであれば、GPUサーバーを用意したりAIソフトをインストールしたりする手間なく、すぐに試せる。

 AI関連サービスは多岐にわたるが、「学習済みAI」「機械学習」に分けて見ていく。学習済みAIは、クラウド事業者があらかじめ学習済みのAIや簡単な学習しか必要としないAIを提供するので、手軽に使い始められるのがメリット。自前のデータによって追加学習できるサービスもある。機械学習は、学習用の大量データを自ら用意してモデルを作る必要があるが、より細かな分析やチューニングが可能だ。

学習済みAIサービスの一覧
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 学習済みAIの提供でリードするのがMicrosoft Azure。視覚や言語、音声、認知、検索などを扱うコグニティブ関連サービス「Microsoft Cognitive Services」は29種類のサービスを用意する。「マイクロソフトが保有するビッグデータで学習済みのAIを組み合わせて使えるのがメリット。カスタマイズもできる」(日本マイクロソフト マーケティング&オペレーションズ部門 プラットフォーム戦略本部長の大谷健氏)。

 視覚の分野では、画像分析「Computer Vision API」、顔認識「Face API」、感情認識「Emotion API」(プレビュー版)など8種を提供。言語・音声の分野に含まれる、意図解釈「Language Understanding(LUIS)」、テキスト翻訳「Translator Text API」、リアルタイムの音声翻訳「Translator Speech API」などは日本語に対応済みである。

 「AzureはAIを使うとこんなことができると、ソリューションイメージを出してくるのがうまい」(野村総合研究所 基盤サービス本部 基盤サービス推進室長の桜井真氏)。実際、Cognitive Servicesを使った事例は増えている。

 博報堂は「Face API」と「Emotion API」を使い、鏡の前に立った人物の特徴や顔の表情を認識。その時々の感情などに合わせて広告を表示するターゲティング広告配信システムを構築した。開発期間は約4カ月だ。

 ナビタイムジャパンは2017年11月に提供開始した、観光情報ガイドのスマートフォンアプリ「NAVITIME Travel」の全国版で「LUIS」を採用。テキストベースのチャットボットによる観光スポットや観光関連記事の検索機能を実装した。

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