世界3大クラウドである米アマゾン ウェブ サービスのAmazon Web Services(AWS)、米マイクロソフトのMicrosoft Azure、米グーグルのGoogle Cloud Platform(GCP)を、38項目にわたり徹底比較する特集の第3回だ。前回はIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を比較した。今回はデータベース(DB)やデータウエアハウス(DWH)などのデータ活用基盤を比較する。サービスの選択基準はユースケースによって異なる。オンプレミスで稼働している業務系DBをクラウドに移行するケースから考えていこう。

 業務系でよく使われるのがリレーショナルデータベース(RDBMS)。その選択肢が最も多いのはAWS(Amazon Web Services)である。AWSは「Amazon RDS(Relational Database Service)」「Amazon Aurora」と呼ぶサービスを提供する。このうちRDSでは商用製品のOracle DBとMicrosoft SQL Server、オープンソースソフトウエア(OSS)のMySQL、PostgreSQL、MariaDBが使える。Auroraについては後述する。

 これら商用製品やOSSのDBをオンプレミス(自社所有)環境から移行する場合、基本的にそのまま持っていけるのがメリットだ。

 仮想マシンサービス「Amazon EC2」に自分で選んだDBソフトをインストールして利用することも可能である。しかしRDSは、ハードウエアの設定やDBソフトの導入、パッチ適用、バックアップなどをAWSが実施する「マネージドサービス」。運用管理負荷の軽減がクラウド移行の目的の一つであれば、こうしたマネージドサービスの採用を検討すべきだろう。

リレーショナルデータベース(RDBMS)の一覧
[画像のクリックで拡大表示]

 Microsoft Azureでは、自社のSQL Serverのマネージドサービス「Azure SQL Database」を提供する。品ぞろえを増やすべく、現在、OSS版の開発を進めている。MySQLおよびPostgreSQLの互換サービスはプレビュー版を提供しており、「もうしばらくで一般提供できる」(日本マイクロソフト クラウドプラットフォーム製品マーケティング部 エグゼクティブプロダクトマネージャー/担当部長の相澤克弘氏)状態にある。オンプレミス環境で稼働中のOracle DBを移行したいなら、仮想マシンサービス「Azure Virtual Machines」にOracle DBを導入して自ら運用するか、SQL Databaseなど他のRDBMSに乗り換える必要がある。

 Google Cloud Platform(GCP)が提供するRDBMSは、Cloud SQLとCloud Spannerの二つ。前者のCloud SQLは、MySQLおよびPostgreSQLの互換サービスだ(PostgreSQLは2018年2月10日時点でベータ版)。Cloud Spannerは「クラウドに特化して構築しており、RDBMS構造の利点と非リレーショナルDBの水平スケーリング機能を合わせ持つ」(グーグル・クラウド・ジャパン Google Cloud 事業本部長の塩入賢治氏)のが特徴だ。

 Cloud Spannerは同社の独自実装なので、オンプレミス環境で稼働中の商用RDBMSから乗り換えるなら、互換性の検証が必須。米オラクル製品のライセンスが提供されていないのがGCPの泣き所である。Oracle DBはGCPに持ち込めないので、Cloud SQLやライセンスが提供されるSQL Serverなどへ乗り換えを検討せざるを得ない。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)は12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら