世界3大クラウドである米アマゾン ウェブ サービスのAmazon Web Services(AWS)、米マイクロソフトのMicrosoft Azure、米グーグルのGoogle Cloud Platform(GCP)を、38項目にわたり徹底比較する特集の第2回だ。前回は3大クラウドのキャラクター付けをした。今回は仮想マシン、ストレージ、ネットワークなどのIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を比較する。特にオンプレミス(自社所有)環境のシステムをそのまま移行するケースでは、3社のIaaSの性能や拡張性、コストなどを見極める必要がある。

IaaSの比較-1
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 仮想マシン、ストレージ、ネットワークといったIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)に限ると3社のサービスは似通う傾向にある。どのサービスでも、用意された仮想マシンやロードバランサー、CDN(コンテント・デリバリー・ネットワーク)などを組み合わせ、手軽にWebシステムが作れる。ストレージはブロックストレージやオブジェクトストレージ、ファイルストレージなどを用意。クラウド上の仮想ネットワーク、オンプレミス環境とのVPN/専用線接続といったネットワーク機能も充実している。

 AWSとAzureは国内で企業システムをターゲットに競ってきたこともあり、細かい部分も似ている。例えば準拠する法律。GCPが米国カリフォルニア州法なのに対して、AWSとAzureは日本の法律である。

IaaSの比較-2
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 さらに最近、AzureがAWSと似たサービスを発表し、両社のIaaSの違いはより薄れる傾向にある。2017年9月に発表した、Azureリージョン内でデータセンターレベルの冗長化を実現する「Azure Availability Zones(可用性ゾーン)」は、AWSの「Availability Zone」に相当。事前予約により利用料金を割り引く「Reserved VM Instances」は、AWSの「Reserved Instances」にならったといえる。日本マイクロソフトのある幹部は「我々はチャレンジャー。AWSの良いところはどんどん取り込んでいく」と話す。

 国内に二つのリージョンを用意する戦略も共通だ。これまでAzureのみが東日本リージョン(東京、埼玉)と西日本リージョン(大阪)を構えて先行していたが、AWSは2018年2月13日より「アジアパシフィック(大阪)ローカルリージョン」が利用可能になったと発表し、東西リージョン体制を整えた。GCPも既存の東京GCPリージョンに加え、2019年に「大阪GCPリージョン」を開設する予定である。

 IaaSの価格はどうか。TIS プラットフォームサービス本部 プラットフォームサービス第2部長の市田真也氏によれば「3社で価格差はあるものの、圧倒的な差ではない」という。AWSだけでも値下げが通算60回を超えるなど、クラウドの価格は変動要因が多い。先のReserved Instancesに代表される割引プログラムもあるので、システムの構成や運用方針が固まったら、相見積もりを取るのが得策だ。

 ここからは3社のIaaSの特徴を見よう。

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