米アップル(Apple)がiPhoneの旧機種の動作速度を意図的に落としていたとされる「iPhoneの速度抑制問題」。バッテリー劣化によるiPhoneの予期しないシャットダウンの頻発を防ぐのが狙いとされている。この問題に対してどう考えるべきなのか。あるいはアップル製品にからむトラブルにどう対処したのか。識者に語ってもらった。

 アップルがiPhoneの旧機種において「最大パフォーマンスを動的に管理」していたことがバレて、非難されている。要は、バッテリー劣化による電圧低下が原因で突然シャットダウンすることがないよう、最大性能を抑え込む機能を「黙って」盛り込んでいたという話だ。

 アップルが2017年12月末に公開した「iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと」の中で「突然シャットダウンするよりいいでしょ? だって、ほとんどの人は性能低下に気がつかないよ」(大胆な意訳御免!)と釈明している。ただ、「信頼を取り戻すため」にバッテリー交換代金の割引などをアナウンスしているところが、けなげではある。結構なことではないか。

 そのような喧騒をよそに、「バッテリーの劣化」というキーワードに便乗し、Apple WatchやiPhoneのバッテリー周りのトラブル体験を紹介しよう。

購入から2年を経ても日々快適に使っていた初代Apple Watch。まさかバッテリーのトラブルに見舞われるとは夢にも思わなかった(筆者撮影、以下同じ)
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バッテリーが膨らんでApple Watchの文字盤が剥がれ落ちる

 2017年の夏、出かけようと玄関で靴を履いているときだった。手首のあたりに異物感を伴ったかすかな空気の動きを感知した。見るとApple Watchの文字盤が本来あるべき場所から浮いた状態でブラブラと揺れている。「あれぇ〜」と思わず素っ頓狂な声を発した。本体から文字盤の部分だけが外れてしまったのだ。

 かさぶたを剥がすかのように、浮いてしまった文字盤を恐る恐るめくってみる。内部空間の半分以上を占める黒光りする長方形の物体がバッテリーであることは一目瞭然だった。それは、なだらかな丘を思わせる稜線を描いて膨らんでいた。腕にはめたときは問題はなかったので、バッテリー膨張による押上げ圧に加え、ちょっとした衝撃でペコッと取れてしまったようだ。本体ケース縁の凝固した接着剤の剥がれ跡が痛々しい。

バッテリーの膨張で文字盤は剥がれたが、扁平状のケーブルがつながっているので機能は正常に動作している
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 そして次の瞬間、私の脳裏には「登場が噂されているセルラー版のApple Watchを買おう」とガジェットマニア丸出しの思考が降りてきたのだから、自分ながら呆れる。だが、心拍やアクティビティを人知れず計測し、メッセージや電話の着信を知らせてくれるApple Watchだけに、壊れてもらっては困るのだ。まだ発表すらされていない次世代Apple Watchを手に入れる夢に酔いしれている場合ではない。

 2015年春発売の初代を使い続けて2年余、iPhone本体と異なり、なくても日々の活動に決定的な支障はないが、なければないで不便を感じるのがApple Watchだ。外れた文字盤は、扁平状のケーブルで本体とつながっており何事もなかったかのように時間を表示している。とはいえ、このまま使い続けるわけにはいかない。

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