カナダ政府が、新たなイノベーションプログラム「スーパークラスター」を打ち出した。政府が20億カナダドルを投じ、民間からも同規模の投資を見込む。「BlackBerry」や「D-Wave」、古くはインスリンを生み出してきた同国が目指すのは、産業主導型のイノベーションだ。デジタルテクノロジー分野のトップを務めるビル・タム氏は、「テクノロジーをマーケットに送り出す」今までのイノベーション投資とは一味違ったプログラムだと力を込める。(聞き手は岡部 一詩=日経 xTECH/日経FinTech)

カナダのデジタルテクノロジー・スーパークラスター 共同創設者 ビル・タム氏
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カナダ政府が「スーパークラスター」構想を打ち出した目的を教えて欲しい。

 カナダの産業界が、より競争力を発揮できるサポートをする。デジタルテクノロジー、農業、製造、サプライチェーン、海洋という5つのクラスターを設定し、政府が20億カナダドルを投資する。民間からも同規模の投資を見込む。官民のコラボレーションを通じて、次世代のイノベーション創出を目指す構想だ。私は、デジタルテクノロジーを担当している。

 ポイントは、産業主導型のプロジェクトである点。カナダ企業が世界に対して、新商品や技術を提供しやすくする。「カナダはスキーに行く場所ではなく、イノベーションを探すための国」と、世界から見てもらいたい。

 カナダは、数々の素晴らしい発明を世に送り出してきた。最近で言えば、「BlackBerry」や量子コンピュータの「D-Wave」はカナダ企業が生み出したもの。糖尿病治療に必要なインスリンを発見したのもカナダ人医師だし、原子力技術の平和利用もカナダが早くから研究してきた。発祥に際してカナダが関係したスポーツとして、アイスホッケーとバスケットボールも忘れてはいけない(笑)。

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