欧州の人工知能(AI)研究の第一人者と言われるバリー・オサリバン氏。欧州人工知能協会〔European Association for Artificial Intelligence(EurAI)〕会長を務める同氏に、プライバシーや透明性、兵器化などAIが抱えるさまざまな問題について聞いた。
 オサリバン氏は、ブレグジット(英国のEU離脱)で注目を集めるアイルランドでも、AI研究に関する要職を務める。前回インタビューしたアイルランド政府産業開発庁(IDA)のレオ・クランシー氏(テクノロジー、コンシューマー、ビジネス・サービス部門代表)と共に(関連記事)、先端技術を成長戦略の重要な柱と位置付ける同国のキーパーソンの1人でもある。そこで、アイルランドのAI研究戦略についても話を伺った。

バリー・オサリバン(Barry O'Sullivan)氏。アイルランドのユニバーシティ・カレッジ・コーク(UCC)のインサイト・センター・フォー・データ・アナリティクス所長、アイルランド人工知能協会の会長、欧州人工知能協会の会長などを務める。
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AIには危険な側面があると言われています。代表例がプライバシー問題です。顧客のプライバシーを保護しながら、ビジネスでAIを活用するために、どのような対策を取ろうとしていますか。

オサリバン氏:AIのプライバシー問題は深刻かつ重要な問題と認識しています。欧州連合(EU)ではGDPR(一般データ保護規則)の適用が2018年5月から始まりました。このGDPRをプライバシーに関する“AIの法規制”と位置付けています。個人データを何に使ってよくて、何に使ってはいけないのか。意思決定のプロセスの中で使っても構わないデータなのか、そうではないのか。そうしたことがGDPRの中に記載されています。

 同年6月には欧州委員会(EC)において、AIに関するハイレベル・エキスパート・グループが立ち上がりました。AI関連の政策の助言を行う組織です。このグループの活動の1つが倫理分野になっています。また、人を中心に据えたAIにも力を入れています。ここでは当然、プライバシーは重要なトピックになっています。

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