前編を読む

AIを巡る負の側面。GAFAの台頭。さらなる成長に向けて増やしたい人材像――。米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが明かした本音とは。

(聞き手は戸川 尚樹=日経 xTECH IT 編集長、大和田 尚孝=日経 xTECH/日経コンピュータ)

AIなど最先端技術については、負の側面もあります。この点についてどう考え、どのようにリーダーシップを取っていきますか。

 デジタルテクノロジーを巡っては、プライバシー、サイバーセキュリティー、倫理といった3つの課題があります。プライバシーの問題については、データや個人情報を「人権」として捉え、それらを尊重するようにサービスを構築しなければなりません。

米マイクロソフト CEO サティア・ナデラ氏
米サン・マイクロシステムズを経て1992年マイクロソフト入社。オンラインサービス部門の研究開発トップ、クラウド&エンタープライズ部門のエグゼクティブバイスプレジデントなどを歴任。クラウド事業の拡大に貢献した。2014年にスティーブ・バルマー氏の後を継ぎ3代目CEOに就任。インド出身。51歳。(撮影:村田 和聡)
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 もう1つのサイバーセキュリティーについては、お客様を守るために、「Windows Defender」や「Office 365 Advanced Threat Protection」、「Azure Security Center」などの製品・サービスの開発に力を注いでいます。それだけではありません。中小企業や消費者などをサイバー攻撃から守るための協定のようなものも必要と考えていて、(文民や非軍事施設などへの攻撃を禁止する)ジュネーブ条約のようなものをデジタル分野にもつくることを周囲に呼び掛けています。

 そして倫理。我々はAI分野の開発を進めるに当たって、倫理的な原則を既に定めています。公平性や堅牢(けんろう)性、セキュリティー、プライバシー、透明性、包括性、説明責任など様々な観点でまとめた内容になっています。

 AI倫理の原則は、マイクロソフトのデザイナーや開発者、営業担当者全員が理解し、守るべきものです。さらに、AIのユースケースをどのように開発していくべきかについて議論する倫理委員会を社内で設けています。

 AIによって世界を良い方向に進めていく。AIの倫理をどうすべきか。これらは、世界中の人々が考えていくべき課題です。マイクロソフトとしては、政府や産業界、学術界など様々なところと対話しながら、乗り越えていきたいと思います。

様々な物事を用意周到に進めているようですが、マイクロソフトに課題はないのでしょうか。

 多くの課題に直面していて、チャレンジしなければならないことはたくさんあります。とはいえ、世界中でデジタルテクノロジーが必要とされている今、我々が貢献できる領域が大きく広がっているので、やりがいがあります。

 マイクロソフトは、コアとなるプラットフォームやITツールを提供することで、様々な会社がデジタルカンパニーになることを可能にしています。我々が提供するクラウドやエッジ、AI、IoTなどあらゆるサービスは、顧客企業がデジタル化を通じてビジネス面で成功するためのものに他なりません。

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