日本電産 代表取締役会長の永守重信氏は、2018年3月に京都学園大学を運営する京都学園(現・永守学園)の理事長に就任した。その動機は明快だ。モーターに関する技術者が圧倒的に不足しているとの危機感から大学の新設を検討するも、大学事業への新規参入は容易ではない。そこで経営者として得意としてきた、赤字会社を買収して黒字化するというM&A的な手法を大学に持ち込み、京都学園大学を京都先端科学大学に改称、大学改革を進めている。ここでも「2030年までに京大を抜く」との“永守節”が全開だ。(聞き手=日経 xTECH 編集長 大石 基之、日経 xTECH編集 宇野 麻由子)

(インタビュー第1回はこちら

 私が初めて京都学園大学(後の京都先端科学大学)に行ったときに、学生を集めて話をしました。「悩みはないか」と聞くと、ある学生が「私は地元に帰って、“君はどこの大学に行っているのか”と言われるときが最も困る」と言う。「京都学園大学」と言いたくないんですよ。大学の名前は変えましたが、それだけでなく2025年までに“関関同立”を抜きます。学生には「君たちは関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)に落ちてこの大学に入ったのだろうけれど、2025年にはその関関同立を抜く」と言っています。

 そして、2030年に世界ランキングで京大を抜きたいと思っています。英国の高等教育専門誌「THE(Times Higher Education)」が発表する「THE世界大学ランキング」で100位以内に入る日本の大学は東京大学と京都大学だけ。以降、199位以内にはどこの大学も入っていません。だからこのランキングの199位以内に入れば「日本で3位」の大学になれる。もちろん、そのあとは上位の2校を抜くつもりです。

日本電産 代表取締役会長および永守学園 京都先端科学大学 理事長の永守重信氏
(撮影:大亀 京助)
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ランキングにも関係すると思いますが、日本に根強く残る「ブランド偏重」の考え方を変えるのは難しいのではないでしょうか。

 いや、そんなことはないです。例えば、豊田工業大学や会津大学などがランキングを上げて地元大学を脅かしている。世界ランキングの入れ替わりが起こっています。

 私たちの世代が社会に出た頃は、まだ徹底的なブランド主義でした。例えば大蔵省に入る国家公務員I種の応募者は「君はどこの大学?」なんて聞かれず、研究室の先生の名前を聞かれた。全員が東京大学出身だからです。大手企業もそうだったけれど、最近では変わりつつあります。

 私は今年の入学式で「君らはいいときにこの大学に入った。絶妙なタイミングだ。来年受けたら、(今年の合格者の)半分は落ちる。再来年は全部落ちる」と話しました。偏差値にこだわっているわけではないですが、昨年に比べて、偏差値も伸びてきています。スタッフからは発言を抑えてと言われていますが、内心、2025年までかからずに関関同立を抜けるのではないかと思っています。

 今年の応募者数は前年比160%でしたから、今まで来ていた学生層とは全然違います。これまでより上のランクの学生が来ています。来年はもっと上の学生が来ます。

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