50GW目標で1兆円市場に

実際、国内の風力開発では、どの程度の目標を掲げるべきでしょうか。

荒川 環境省による再エネポテンシャル調査の「経済的に実現可能なシナリオ」では、国内の陸上風力273GW、洋上141GWという数値になっています。こうした風力発電事業の潜在量を考えれば、まず洋上20GW、陸上30GWで合計50GWぐらいを掲げて欲しいところです。これで電源構成の10%程度になります。

 それでも、太陽光のミックス目標である64GWよりは小さい規模です。日本では固定価格買取制度(FIT)で太陽光の普及が先行しましたが、世界的に見ると、発電コストの安い風力がまず導入され、その次に太陽光という順です。

 現在、系統の容量問題が大きなネックになっていますが、運用の工夫でかなりの空きができることも分かってきました。北海道については、北本連系線のさらなる増強を期待しています。風力は大型化などで発電コストが下がり、系統連系のコストさえ下がれば、FITがなくても十分に事業性を確保できると見ています。

 「50GW」という数値は、いまのミックス目標の5倍ですが、“風力発電産業”として持続的に発展していくためには、この程度の導入量は必須です。この規模であれば、年に2GW程度の投資になり、約1兆円の市場になります。

銚子沖洋上風力発電所
左が風況観測タワー、右が洋上風力発電設備 (出所:東京電力HD)
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