急成長を続ける「バーチャルYouTuber(VTuber)」。その人数は半年間で3000人を超え、日本の観光大使にも任命されるなど、活躍の場を広げている。自らVTuberとして活動し、VTuber配信ツールを手掛け、最初期からアドバイザーとしてもVTuberに携わるエクシヴィ 代表取締役社長の近藤“GOROman”義仁氏が、その魅力とビジネスチャンスを語った。(聞き手は、東 将大=日経 xTECH)

 皆さんは「バーチャルYouTuber」(以下、VTuber)を知っていますか? VTuberとは、主にYouTube上で動画の配信活動を行うバーチャルタレントのことです。2016年12月に初めてVTuberを名乗って活動を始めた「キズナアイ」は、2018年6月時点でVTuber最多となる190万人のチャンネル登録者数を誇り、多くの著名人や企業とコラボレーションしているほか、日本の観光大使を任されています。さらに、2017年末から2018年初頭にかけて急激なブームが起きてからVTuberは増え続け、今では3000人を超えています。グリーがVTuber事業に100億円の投資を発表したほか、DeNAやカドカワ、エイベックスなど多くの企業が注目しており、VR(Virtual Reality)関連で最も熱いコンテンツと言っても過言ではないでしょう。

個人で活動するVTuberのほか、企業が運営したり、芸能事務所に所属したりするVTuberもいて、その総数は3000人を超えた。VTuber自身の広報活動や問い合わせ窓口の代行などを請け負うサービスも存在する。例えば、VTuber支援プロジェクト「upd8(アップデート)」は、バーチャルタレントのプロデュースを手掛けるActiv8が始めたもので、活動の収益化や知的財産権の保護などを支援する。画像はupd8の参加メンバーで、左上には「キズナアイ」の姿もある(出所:Activ8)

VTuberが増えたワケ

近藤 “GOROman” 義仁氏(こんどう・よしひと)
エクシヴィ代表取締役社長。2010年にエクシヴィを創業。2012年に開発者版「Oculus Rift」に出会い、自らVRコンテンツの開発と普及活動を始める。2014年には米オキュラスVR(Oculus VR)の日本支部発足に携わり、オキュラスVRの親会社である米フェイスブック(Facebook)の日本法人Facebook Japanで、2016年までパートナーサポートや講演活動を担当した。個人でも“GOROman”として、VRコンテンツの開発や普及活動を広く行う。2018年にバーチャルキャラクター配信システム「AniCast」を発表。「東雲めぐ」(c)GugenkaのSHOWROOMライブ配信に技術提供。(出所:エクシヴィ)

 たくさんの人がVTuberを始められるようになった理由は2つあります。1つは、VRやモーションキャプチャー用の機器が低価格になって一般化したこと。もう1つは、手や頭の位置から体の動きを計算してアバターに反映させるIK(Inverse Kinematics)技術が発展し、アバターがより自然な動きを表現できるようになったことです。VTuberになるためのこれらの技術が身近になったことで、企業/個人を問わず手軽に始められるようになりました。

 さらにブームを後押ししたのは、VRによってファンがVTuberと目の前で交流できる仕組みです。リアルの「会えるアイドル」と同じで、双方向のコミュニケーションや距離の近さがファンの心を強くつかみました。VTuber同士が仮想空間で気軽にコラボレーションできることも一因かもしれません。自分がVTuberになれば、好きなVTuberと同じイベントに出演できる可能性もあります。

 VTuberへの関心は高まっていますが、残念ながら多くの人は、リアルYouTuberの延長線上として考えているようです。しかし、VTuberはYouTuberの単なるバーチャル版ではありません。既存のビジネスを大きく変革し、日本の経済を大きく発展させる存在だと捉えています。

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