コンビニより多い薬局から、国民の健康意識を高める

中尾 豊氏 カケハシ代表取締役CEO

2019/03/29 05:00
河合 基伸=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 薬局向けの次世代薬歴システム「Musubi」(ムスビ)を提供するカケハシは、経済産業省が主催する「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2019」のビジネスコンテスト部門でグランプリを受賞した(関連記事)。事業立ち上げの経緯や目指す将来の姿などを、カケハシ代表取締役CEOの中尾豊氏に聞いた。(聞き手は河合基伸=日経 xTECH/日経デジタルヘルス)

ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2019でプレゼンする中尾氏
(写真:日経 xTECH)
クリックすると拡大した画像が開きます

なぜ薬局に着目したのですか

 国民の健康意識をどう高めるかを考えたときに、ITを活用したソリューションもありますが、今後増えていく高齢者がアプリを使ったりWebを検索したりするのは難しいと感じました。ITを活用したサービスを新たに立ち上げて広めるのではなく、発想を転換して既存の医療インフラを活用することにしました。

(写真:加藤康)
クリックすると拡大した画像が開きます

 薬局に着目したのは、そのポテンシャルの高さからです。薬局は日本にどれくらいあると思いますか?実は6万店もあるのです。この数はコンビニを上回っています。しかも患者と薬剤師が1年間に会話する回数は合計で8億回になるというデータもあります。薬局には、すごいポテンシャルがあると感じました。薬局は患者に対して価値を提供しやすい場所なのです。

 現在の薬局は「薬を受け取るところ」というイメージが強く、せっかくの価値を生かし切れていません。これではもったいない。薬を渡す以外の役割を担っていきたいと考えている薬剤師もいるのですが、薬歴の管理といった日常の業務に追われて、患者との接点を有効に活用できていないのです。例えば薬歴の記入業務に要する時間は、薬剤師1人当たり1日2時間ほどになります。

(出所:カケハシ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 そこで我々は次世代薬歴システム「Musubi」(ムスビ)を開発しました。タブレット端末を使って服薬指導をすると同時に、薬歴の記録が完了する仕組みです。これにより薬歴記入時間を1日20分に削減できます。さらに患者の年齢や性別、疾患などの情報から、治療のための生活指導や疾患予防といった、患者ごとに適した指導内容を薬剤師に提示します。薬剤師はその情報を参考に、患者にアドバイスができます。薬局の働き方改革が進むとともに、患者は薬剤師から新たな気付きを得られます。

お知らせ

ピックアップPR

もっと見る

記事ランキング