より無駄を少なくしようとする価値観の高まりにより、リユース(中古)市場が盛り上がりを見せている。経済産業省が2018年4月に発表した「平成29年度電子商取引に関する市場調査」によると、顕在化しているリユース市場は2兆1000億円にも上るようだ。では実際、2018年によく取引された商品にはどんなものがあって、2019年に注目すべき商品には何があるのか。29の買取専門サイトを抱えるネット型リユース業大手のマーケットエンタープライズでリユースエバンジェリストを務める高野浩志氏(同氏の連載「モノが売れない時代の消費動向」はこちら)に、2018年を振り返り、2019年を占ってもらった。今回は2019年の見通しを聞いた(前回はこちら)。

(聞き手は加藤 雅浩=日経 xTECH/日経エレクトロニクス)

高野 浩志氏
マーケットエンタープライズ リユースエバンジェリスト

前回のインタビューでは、2018年の中古(リユース)市場を振り返ってもらった。今回は2019年の市場見通しについて聞きたい。まず全体をどう見ているか。

 間違いなく成長する。消費税の増税による影響は少なくなく、手軽に入手できるという中古品のメリットが生きてくる。加えて、「ものを大切にする」という流れが顕著になってきている。日本の中古品は大事に使われていることから、アジア圏では「Used in Japanはいい」と評価されている。2019年も期待したい。

今年(2019年)に期待する製品は。

 1つは前回紹介したミラーレスカメラだ(前回はこちら)。ものさえあれば売れるのに、2018年は思ったより買取ができなかった。2019年は手放す人が増えてくれることを期待している。カメラ全体に占める割合(構成比)は20%を確実に上回ると見ている。

 同様に2018年に思ったよりも伸びず、2019年以降に期待しているのが、有機ELテレビだ。数量、販売額の値だけを見れば、2018年は前年比1200%と大幅に伸びた(図8)。これに対し、液晶テレビの伸びは15~20%にとどまる(同下)。

図8 有機ELテレビと液晶テレビの成長率の年次推移
出所:マーケットエンタープライズ
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 とはいえ有機ELテレビは、構成比を見ると、数量ではわずか1.5%程度だ(図9)。単価が高いので販売額の構成比は数量のそれを大きく上回るものの、それでもまだ8.5%ほど。初期の頃に出た有機ELテレビは60型など大型のものばかりで、まだ手放す人もいないのだろう。これからの伸びは、サイズダウンした有機ELテレビが新品で出てくるかどうかにかかっている。

図9 有機ELテレビの構成比の年次推移
出所:マーケットエンタープライズ
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 有機ELテレビは、販売額の構成比で30%まで伸びてほしいと期待している。単価が高いので、数量が多少伸びるだけで十分達成できる。とはいえ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック需要があるから、2019年はゆっくり伸びて、2020年にもうひと伸びとなるかもしれない。

 また、コンテンツとして期待しているのがスポーツ。横に動くことの多いスポーツは大画面で楽しみたい、大画面なら疲れにくい、といったニーズがある。スポーツは有機テレビの市場を活性化してくれるのではないか。

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