アートやデザインでワクワクさせる医療・健康サービスを(page 5)

丸山亜由美氏 トリプル・リガーズ 代表

2019/03/01 06:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

アートやデザインを入り口にして、どんな人にヘルスケアサービスを届けたいですか。

 今、私が最もヘルスケアサービスを届けたいのは、健康への関心が低い若い人たちです。

 若いうちは多少の無理が効いてしまうので、仕事や趣味に熱中するあまり、自分の健康をおろそかにする人も少なくありません。私自身もクリエーターですが、アートやデザインなどを手掛けるクリエーターの多くは企業に所属しないため、健康診断を定期的に受けず、昼夜を問わずに好きな仕事に打ち込む傾向にあります。

 そうした若い人たちにも、アートやデザインを入り口にすれば健康サービスが届けられるのではないかと考えています。私が活動の拠点を渋谷にしているのは、実はクリエーターが多く活動している場所だからなんです。

 なぜ若い人に注力しているかというと、私自身が糖尿病を発症したのが20歳のときだったから。人生100年時代といわれていますが、もしも私が100歳まで生きるとしたら、80年間はこの病気と向き合わなくてはいけません。

 若いうちに発症すると、治療にかかる費用や受ける制約があまりにも大きくなってしまいます。場合によっては、夢を諦めなくてはいけない事態になるかもしれない。なんとしても、それを防ぎたいと考えています。

(写真:加藤康)
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経済産業省主催の「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2019」ではアイデアコンテスト部門で優秀賞を受賞しました。その後の反響はいかがですか。

 早速ヘルスケア関連のイベントのロゴを作成する仕事をいただきました。とてもうれしく、精力的に準備をしている最中です。

 コンテストでは、デザインに触れてくれる審査員の方が多くいました。医療や健康、福祉領域においてもデザイン性を重視する機運が高まっていることを感じます。

これからやってみたいことを教えてください。

 数年後に、ガストロノミー(美食学)を学ぶためにイタリアの大学に通いたいと思っています。医薬品だけではなく食事から人の健康を考え、治療をポジティブなものにする取り組みに生かしたいのです。

 私が糖尿病をテーマにしていたこともそうですが、人は自分が体験したことしか本質的には理解できないと思います。同じ体験をしないと当事者の気持ちは分からない。ガストロノミーを学んで食べ物を作る人の気持ちを理解し、医学と芸術、食科学の3分野を理解した上で、人々の行動変容につながるような活動を進めていきたいです。

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