パナソニックは2018年12月、東京・有明にあった研究開発施設「Panasonic Laboratory Tokyo(PLT)」を同じ都内の汐留に移転するとともに、内部の空間設計も大幅に刷新した(末尾の関連記事も参照)。PLTは、社外の知見の取り込みを目的としたオープン型の研究開発施設で、2016年4月に設立された。それから3年もたたないうちに直線距離で4kmほどの場所に移転した狙いはどこにあるのか。PLTの所長を務める井上あきの氏に聞いた。(聞き手は、高野 敦=日経 xTECH/日経エレクトロニクス)

井上あきの(いのうえ・あきの)
パナソニック イノベーション戦略室 パナソニックラボラトリー東京 所長。1990年松下電器産業(当時)入社。映像伝送システム、 モバイルプラットフォーム、デジタル家電プラットフォームの開発に携わる。2012年よりPanasonic R&D Center Singaporeへ出向、同社社長。2015年よりパナソニック 全社CTO室に出向復帰し、技術ビジョン策定、AI技術強化推進に参画。 2016年にPanasonic Laboratory Tokyoを立ち上げ、拠点責任者として企画運営全般を担当。(写真:栗原克己)

なぜ有明から汐留に移転したのでしょうか。

井上 PLTは、社外との共創を目的とした研究開発施設です。しかし、社外の方が頻繁に通うには、有明はちょっと遠かったのです。何かの“ついで”に寄っていただくことを期待していましたが、それがほとんどありませんでした。東京ビッグサイト(東京国際展示場)が近いといっても、普通の人が展示会に行く回数は年に2回ぐらいでしょう。せっかく東京に出てきたのに、地の利があまりないと感じていました。

 PLTのメンバーも、都心で打ち合わせがあると「東京に行ってきます」と冗談を言っていたぐらいです。都心のカフェで仕事をする人や、コワーキングスペースを借りている人も多く、いつかはもっと都心に移らなくてはいけないと思っていましたし、移転に反対する人もいませんでした。

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