「自動運転の技術開発プロジェクトに必要なAI人材は、常に足りていないのが現状だ」。こう話すのはデンソーの川原伸章先端技術研究所長だ。

 自動車メーカーで人工知能(AI)に強い技術者の獲得に乗り出しているのは、トヨタ自動車のような完成車メーカーだけではない。同社も「AI人材」の争奪戦に名乗りを上げた1社である。

 デンソーの川原先端技術研究所長は「AI人材を毎年10~20人は採用したい」と続ける。

デンソーの川原伸章先端技術研究所長
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 自動運転を実用化するために必要な技術開発は「認知」「判断」「操作」の3つの領域に分けられる。このうち、デンソーは周囲の状況を認識する「認知」の領域を中心にAIの技術開発を進めているという。障害物や接近する車両などを認識して、衝突を回避するためのシステムなどに必要だ。

 デンソーが有するAI人材は2017年11月時点で約300人。日本企業の中ではかなり多い数字だ。日経コンピュータが国内のユーザー企業やITベンダーに向けて実施したアンケート調査によればAI人材の数は大企業当たりわずか数人~数十人ほどという回答がほとんどだった。

 デンソーが有する300人のAI人材のうち、衝突回避システムなどのアルゴリズムを新たに開発できるトップ級の人材は30人ほど。加えて、学習用のデータを収集し整備する人材、開発したアルゴリズムを半導体や車載システムなどの製品に落とし込む人材なども所属している。

 アルゴリズムの開発は東京拠点でも進めており、デンソーの子会社デンソーアイティーラボラトリ(東京・渋谷)の技術者と連携している。人材が集まる都市部の拠点に開発拠点を置くのはAI人材戦略の王道だ。例えば日産自動車やホンダは2016年、IT系の人材が集まりやすい東京都内に開発拠点を開いている。

デンソーアイティーラボラトリのオフィス
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