実際の開発プロジェクトに参加させることで社員をAI人材として育成。同時に、ITベンダーや人材派遣会社などを通じて外部からの人材獲得も模索する――。日経コンピュータが実施したアンケート結果から見えてきた、流通業や金融業といった非製造業(IT以外)のAI人材育成策だ。

 アンケート回答企業11社のうち、AI人材が「充足している」と答えたのはライフネット生命保険1社のみ。それ以外は、数人~数十人規模で不足していると回答した。

AI人材の育成・獲得について非製造業11社から得た回答の概要。チャットボットなど問い合わせ対応にAIを適用する事例が目立つ
(表の「人材数」は、自社にとっての「AI人材」のおおよその現状人数と不足人数。 「人材確保施策」は、人材確保のために有効または有望と考える施策を示す。 「活用事例」は、自社におけるAIの代表的な活用事例を挙げてもらった)
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 不足人員をいかに確保するか。非製造業に目立つのが、AI活用の実プロジェクトへの参加を通じて、社内人材に知見やスキルを身に付けさせようとする取り組みだ。

 前出のライフネット生命保険は、有効/有望な施策として「AIの事業活用を実践的に検討する有志グループを発足させる」ことを挙げる。日本郵船グループのNYK Business Systemsや、ショッピングセンター運営を手掛けるパルコ、日本航空、野村証券なども同様だ。「『自社または顧客の課題解決のため』という動機がないとうまく育たない」(パルコ)、「目的は課題解決でAIは手段だと明確に。『AIやれ』『AI使え』は×」(日本航空)などの回答から、社内人材の育成には「AIで何を解決するか」という意識付けが重要であることがうかがえる。

 外部からの獲得施策としては、複数の企業がITベンダーからの人材派遣を挙げた。AI系のコミュニティにアプローチする、AI専門の人材エージェントに依頼するといった回答もあった。

 外部獲得、社内育成両面をにらんだユニークな取り組みを展開するのが、保険大手のSOMPOホールディングスだ。既に20~30人のAI人材を抱えているが、今後、数十人規模での増強を目指す。その重要な施策の一つとして、「DATA SCIENCE BOOTCAMP」を実施する。

 DATA SCIENCE BOOTCAMPは、IT人材の養成学校を運営するデジタルハリウッドと共同開催するデータサイエンティスト養成講座。同講座で自社内の人材育成を進めるとともに、外部人材の獲得も狙う。講座を呼び水にデータサイエンティストに関心がある人を広く集め、その中から優秀な人材を発掘しようとの目論見だ。

 データサイエンティストに対するニーズの高まりを受けて、講座は大盛況。2017年4~7月に開催した第1期には、定員30人に対して約2倍の受講希望者が集まった。選考を通過した25人と、SOMPOグループ会社からの希望者5人を加えた30人が講座を受講した。

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