金融庁が、FinTechによるイノベーションを国内で加速させるための切り札とみているのが「オープンAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)」だ。2018年春に施行される予定の改正銀行法により、オープンAPIの整備が努力義務化される。これを受けて、特に影響を受けるのが地方銀行だ。ITシステムの開発や風土改革などが迫られるからだ。一体全国の地銀は、オープンAPIに対してどのように取り組んでいるのか。日経FinTechが独自調査を通じて明らかにする。

 全国各地にある地銀のうち、オープンAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を公開、または公開を決定したのは約27.3%。残りの公開を検討している各行の85.7%は、費用対効果の不透明さに悩む──。

 日経FinTech編集部がこのほど実施した独自のアンケート調査から、こんな地銀の実状が浮かび上がってきた。調査の狙いは、国内の金融業界にオープンイノベーションの風を吹かせるきっかけとなるオープンAPIに対して、地銀がどう向き合っているのか浮き彫りにすること。105行に依頼し、77行から回答を得た。オープンAPIをすでに公開している地銀は6行で、公開日を決定して準備を進めているのは15行だった。

回答した76行のうち21行が公開済みまたは公開予定が決まっていると答えた。2018年3⽉までに各行はAPI公開を巡る方針を決定しなければならないが、ギリギリまで調整している様子がうかがえる
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事実上努力義務化されたオープンAPIの整備

 FinTechによるイノベーションを国内で加速させるため、金融庁は銀行法改正を推し進めてきた。2016年5月に成立し2017年4月に施行した改正では、まず銀行による出資上限の緩和を盛り込んだ。金融機関に対しFinTech企業などを買収したり出資したりしやすい環境を整えた。

 続く2017年5月に成立させた改正では、オープンAPIの推進が主な狙い。銀行が抱える様々な機能に対して、外部企業がシステム連携によってアクセス可能な土壌を整備しようと試みる。APIを利用するFinTech企業などに対しては登録制を導入し、「電子決済等代行業者」としてオープンAPIを利用するよう求めている。

 2018年春にも施行されれば、銀行はオープンAPIを公開すると表明した場合、法律の施行後2年以内にAPIを整備しなければならなくなる。事実上オープンAPIの整備は努力義務化されたと言える。

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