2020年の東京オリンピック・パラリンピック(東京2020大会)に向けたIoT(インターネット・オブ・シングズ)やロボットの技術開発を、その後にも続く「レガシー(遺産)」として生かす――。パナソニックが次なる商機として見いだしだのは、スポーツ施設を核とした街づくりビジネスだ。

社会課題の解決に向け、過去5年間で40社強と協業

 同社は2019年7月11日、「パナソニックの挑戦」と題して2020年以降のビジネスモデルに関する説明会を開いた。5年前の2014年に東京オリンピック・パラリンピック推進本部を立ち上げて以降、2020年を想定した社会課題の解決策を模索してきた。

 成果は上々といい、ロボットやIoTの分野で40社を超えるパートナー企業と協業して、複数の事業を収益化している。

 説明会では「5スマート+ネクスト3」と名付けた2020年以降の「未来の暮らし」を説明した。パナソニックは東京2020大会を「成熟国家型五輪」と位置付けている。

 同社はこれまで協業などを通して、成熟した社会が抱える課題の解決に向けて、IoTやデータ分析、ロボットなどを活用したサービスや技術を開発してきた。これらを今後提供する計画だ。分野は交通から決済まで幅広い。現在までに多言語翻訳サービスやロボット電動車いすなど数多くの実証実験を重ねてきた。

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2020年以降の「未来の暮らし」を想定して、社会課題を解決する技術やサービスを「5スマート+ネクスト3」と名付けて開発してきた
(出所:パナソニック)
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五輪ビジネスは2000億円超に

 社会課題のうち、東京2020大会に直結するものでは暑さ対策がある。2018年に熱中症による救急搬送は全国で9万5000人を超えた。

 これに対し、パナソニックは屋外に配置する「グリーンエアコン」を開発した。空気と霧状の水を同時に噴射することで体感温度を4度ほど下げるという同設備を、新橋SL広場(東京・港)やお台場レインボー公園(東京・港)などに設置済みだ。仮設も可能なため、2020年には競技場周辺などへの配置を検討している。

 こうした取り組みが実を結び、東京2020大会に関する販売額は2015~2020年度の累計で2000億円超となる見通しだ。当初予想の1500億円を500億円以上上回り、好調そのものだ。

東京2020大会に関するパナソニックの2015~2020年度までの累計販売額。当初予想の1500億円を上回る2000億円超となる見通し
(出所:パナソニック)
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 2000億円超の内訳は、競技場や選手村など東京2020大会に直接関連する設備の需要が340億円超で、2020年に向けて新設する商業施設やホテル、公共交通機関に導入する設備などの関連需要が1360億円超となる。

 残りが、2020年を契機に創出する「新規ビジネス事業」で240億円超である。これはすなわち前述の「5スマート+ネクスト3」に関するサービス事業を指す。

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