2020年、日本の通信インフラは10年ぶりの大きな転換点を迎える。「5G(第5世代移動通信システム)」のサービス開始だ。5Gは、現行のLTE(4G)に続く次世代の通信規格。通信速度は最大10Gビット/秒超と、4G(2010年当時)に比べて100倍以上に高速化する。

 5Gの導入で期待が高まるのは映像分野。4Kや8Kの高精細映像をストレスなく配信・視聴できるほか、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の併用で臨場感を高められる。さらに5Gが備える低遅延の特徴を生かし、ロボットや建機の遠隔操作、遠隔医療、自動運転などへの活用も検討が進む。応用範囲は実に広く、社会や産業を一変させるポテンシャルを秘めている。

 日本では東京オリンピック・パラリンピックが5Gの最大のショーケースとなる見通し。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話各社は早くも競い合うように様々なプレーヤーと組んで検証を始めており、東京は壮大な実験場と化してきた。

10年ごとに進化する携帯電話システム

 携帯電話に代表される移動通信システムはこれまで、ほぼ10年ごとに世代交代が進んでいる。NTTグループを例に挙げると、日本電信電話公社(現NTT)がアナログ方式の自動車電話サービス(1G)を開始したのは1979年12月。NTT移動通信網(現NTTドコモ)が「PDC」と呼ぶデジタル方式の携帯・自動車電話サービス(2G)を始めたのは1993年3月になる。通信速度は9.6kビット/秒だった。

移動通信システムのこれまでの進化
出所:「すべてわかる5G/LPWA大全 2018」
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 その後、NTTドコモが「W-CDMA」と呼ぶ方式で3Gサービスを開始したのは2001年10月。通信速度は384kビット/秒だった。2010年12月には75Mビット/秒の通信速度でLTEを始めた。

 そして、LTE開始から10年後の節目に当たる2020年。5Gの商用サービス開始に向け、携帯電話業界は総力を上げて準備を進めている。

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