今、欧州の高級車を中心に、新素材を積極的に使ったクルマが続々と登場している。

図1 CFRP製ホイールを採用した高級スポーツカー
Porsche社が「Porsche 911 Turbo S Exclusive」シリーズにオプションとして用意する。(出所:Porsche社)
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 独ポルシェ(Porsche)社は2017年8月、世界初となる炭素繊維強化樹脂(CFRP)製ホイールを発売した。高級スポーツカー「Porsche 911 Turbo S Exclusive」シリーズにオプション設定する(図1、2)。CFRPという新しい材料で造った特別なホイールという「違い」を前面に押し出し、アルミニウム(アルミ)合金製ホイールを使っている他社と差別化する狙いだ。

図2 軽量化を図ったCFRP製ホイール
アルミ合金製ホイールよりも20%強度を高めながら、2割軽くした。加速性能と制動性能が向上するという。(出所:Porsche社)
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CFRPの積極採用で「時代の先端を行っている」「かっこいい」

 同社が新材料の採用に懸命なのは、高級車が持つブランド力や洗練されたイメージをより高めるためだ。CFRPの採用に「時代の先端を行っている」「かっこいい」などと感じるユーザーが増えている。トヨタ自動車で金属材料を担当する技術者も「カーボン(炭素繊維)を使っているだけで、お客様の印象はものすごく良くなる」と証言する。

 新しい材料を積極的に採用し、設計を大胆に変えてユーザーにとっての価値(顧客価値)を高める――。今、この動きを加速させているのが自動車業界だ。特に先進国の自動車業界は2018年に入って「材料の大転換期」に突入しつつある。欧米の自動車メーカーが、複数の新材料を混在させて使う「マルチマテリアル化」を、ボディー設計で大胆に押し進めているからだ。

 マルチマテリアル化とは、機能や性能を引き出すためにさまざまな種類の材料を適材適所で使いこなすこと。従来の鋼やアルミニウム(Al)合金はもちろん、CFRPやマグネシウム(Mg)合金、樹脂など、これまでボディー骨格にあまり使ってこなかった種類の材料や、機能や特性を高めた新しい材料を思い切って採用しようとする点に特徴がある。

 自動車のボディーといえば、これまで鋼を主体とするか、Al合金の部分的な採用がせいぜいだった。Al合金を主体にすると「オールアルミボディー」という宣伝文句が踊るほど珍しかったが、そうした常識は過去のものとなりつつある。

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