2019年10月12日土曜日の夜、伊豆半島に上陸した史上最大級の台風19号。首都圏各都県から中部、東北にかけて、河川氾濫に伴う未曽有の浸水被害や、斜面地での土砂崩れなどが発生しました。人やあらゆる社会インフラの被害が広域に及んでおり、住宅の被災状況も甚大です。

 台風19号に先立って9月9日の未明には、台風15号が関東地方に上陸。千葉県などで大規模な被害が生じました。15号の被災からほぼ1カ月。千葉県内の被災地各所から、復旧の見通しが立たない住宅被害の実態がまだまだ伝わってきていたなかで、さらに上回る勢力の19号が来襲したことになります。

 台風15号による被災直後、日経ホームビルダーでは、荒川尚美記者が専門家の調査に同行して千葉県の被災地を訪ねました。2019年11月号の「ニュースの深層」で、住宅被害の態様など、専門家の見解を交えて現地の模様を紹介しています。19号によるさらなる被害についても、同じく荒川記者が15号の被災現場を再び訪ねて取材。次号以降の記事でご紹介できる予定です。

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 こうした風水害による大規模な被害が毎年のように発生するたびに、住宅建築が培ってきた雨仕舞い・防水に関する考え方や施工内容も、さらに進化させるべきではないかと強く感じます。11月号の「使えるニュース」で防災科学技術研究所と一条工務店が実施した「耐水害仕様住宅」の公開実験を取り上げましたが、まさにこうした視点が必要と改めて思うのです。

 「船舶ではあるまいし、玄関ドアに水密パッキンなんて…」。しかし全国各地で住宅の浸水被害が起こり得る今日、こうした公開実験の取り組みを荒唐無稽と笑い飛ばせる人は、住宅のプロにはいないでしょう。一般の住まい手が住宅に求める「安全」「安心」という性能をさらに高い次元で実現するためには、これまでにない視点を含めて技術的な研究・検証を進めるべきと信じています。