日経ホームビルダー2019年10月号の特集は、エアコン1、2台で戸建て住宅の屋内全室をまかなう「全館空調」に焦点を当てました。高断熱住宅の普及とエアコン設備の技術的進化などを背景に、独自の全館空調システムを提案に織り込む住宅会社が増えてきています。

 特集では、こうした全館空調システムを実際に導入している戸建て住宅に担当記者が計測機器を持ち込み、温湿度と冷房のエネルギー消費量の独自調査に挑みました。それぞれ異なるシステムを取り入れた住宅3戸が調査の舞台で、住まい手が感じる快適性や使い勝手、コストなどに対する評価もヒアリング。良しあしのポイントをきめ細かく洗い出しています。

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 またこの特集では、送風不良やカビ・結露の発生といった全館空調にまつわるトラブル事例も集めて、原因に関する専門家の考察を交えて紹介。温度の不快感、空気の汚れ、結露水による木材劣化といった具体的な現象を題材に、設計・施工や維持管理における注意点を整理しました。

 特集の最終章では、住宅会社など様々な事業者が開発した全館空調システム16種類をピックアップ。各システムを導入価格別でニーズのボリュームゾーン「100万円台」、値頃感のある「100万円未満」、相対的に高価格帯の「200万円以上」などと分類し、それぞれのポイントを分かりやすく解説しました。全体で30ページと読み応えのある特集ですので、どうぞご一読ください。

 10月号では、リポート「屋根の飛散対策を急げ」も注目です。18年9月に襲来した台風21号は、近畿地方などで深い爪痕を残しました。当時、大阪市内では、飛散した屋根材の直撃で死亡事故が発生。この事故では3階建ての建物の屋上に取り付けられていた折板(せっぱん)屋根が吹き飛ばされ、約150m離れたマンションの8階ベランダ付近にいたとみられる住民を直撃し、その命を奪いました。

 問題の屋根は、陸屋根の屋上に木材の支柱を立てて据え付けおり、建物の躯体と連結されていなかったようです。建築分野に詳しい辻岡信也弁護士が、この事故を振り返り、建物所有者や施工者の法的責任、万が一に備えた瑕疵(かし)担保責任保険の活用案などを解説します。

 瑕疵担保責任保険といえば、住宅瑕疵担保履行法が09年10月の本格施行から10年の節目を迎えます。国土交通省では現在、有識者を交えた検討会で、これまでの制度運用を見直しも視野に入れて検討中。今年19年10月末に報告書をまとめる予定です。

 こうした国の動きを背景に、この8月には、日本弁護士連合会が制度運用の現状と課題をテーマに、欠陥住宅紛争に詳しい弁護士や建築士、国交省の担当者を交えたパネルディスカッションを開催しました。基調講演者の1人で、欠陥住宅紛争を数多く手掛けてきた河合敏男弁護士は、「瑕疵保険が下りないケースやパターンがあるといくつもある」と指摘。そのうえで、消費者の立場から見た制度運用の問題点をいくつか示しています。見直し動向のなかで、いずれも論点として押さえておきたいポイントです。詳細は10月号の「使えるニュース」でお読みください。

出典:日経ホームビルダー、2019年10月号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。