「IoT」をどう売るか?

 2019年9月号では、もう1本の特集「工務店がつくるIoT住宅」も掲載しました。大手のハウスメーカーや建材・設備メーカーの取り組みに注目が集まりがちなテーマですが、地域に根差す中小規模の住宅会社でも、独自の住宅企画や顧客提案に生かす例がじわりと増え始めています。

 特集では、あえてつくり手の視点から、住宅のプランでどのような提案メニューが考えられるのかを整理したうえで、挑戦的な取り組み例を紹介してみました。

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 少し話が変わりますが、お盆休み中に自宅の押し入れを整理していたら、放り込んだままの段ボール箱からずいぶん昔の資料がたくさん出てきました。企画のアイデアになるかと思ってため込んでいた様々な記事スクラップで、目に留まったのは某大手新聞の切り抜き。04年6月と恐ろしく古い日付があるその記事は、国立国語研究所が検討していた「外来語の分かりやすい言い換え」に関する中間報告を題材にした内容でした。

 記事の詳細は省略させていただくとして、内容で興味深かったのは、この中間報告の時点で同研究所が検討対象にしていた外来語のうち、「オンライン」「データベース」「フォーラム」「メセナ」の4語について、「適当な案がなく、今回初めて言い換えを断念した」と説明している点です。15年後の今の感覚からは、いずれも下手に日本語に言い換えられるとかえって分かりにくいと思えてしまう語句ばかり。善しあしは別として、言葉に対する人間の慣れなのでしょうか。

 「IoT住宅」にしても、私自身、正直に言ってまだピンとこない部分が少なくありません。しかし何年か後には、住宅建築のデフォルト(この語句もいつからか普通に使われるように…)を構成する要素技術と化しているのではないかと思っています。

 9月号はそのほか、地域工務店が取り組む新機軸(使えるニュース「アイデア部材で貫通部を大幅減」、リポート「工務店のPFI活用」など)や、新制度の活用手法(リポート「建設キャリアアップシステム」など)が盛りだくさん。早くも夏の終わりを迎える2019年ですが、終盤へのスパートを前に、それぞれの記事をご一読のうえ思考のブラッシュアップにお役立ていただければと思います。

出典:日経ホームビルダー、2019年9月号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。