クラウドでシステムを自動制御

 建築、設備の両面における設計時の工夫に加え、もう1つの特徴となっているのは運用面での省エネだ。IoTを利用した自動制御システムを採用した。無線LANのWi-Fiを通じて、シーリングフリーやクリマチェアを含めた個々の設備機器の情報をクラウドに蓄積し、事務室の監視や情報の書き換えを遠隔で行えるようにした。

 空調をはじめとする設備機器の細かな調整も可能になる。例えばクリマチェアでヒーターや送風装置を使っている数を把握して、ベース空調の吹き出し温度を自動調整する。シーリングフリーの照明は、従業員が帰宅するとその上部周りから順次消灯していく。残った社員に暗い印象を与えないように、一部の壁を照らすといった試みも取り入れた。省エネにとどまらず、快適性や健康の増進に結び付けることを意識した工夫だ。

 クラウドで自動制御するシステムは、現地での配線工事が不要になる。導入コストの削減効果に加え、メンテナンス上のメリットも大きい。「従来は、設備の設定を変更したい場合には、遠隔地にいる担当者に出張してもらう必要があった。今回のシステムは連絡を受けた担当者がクラウド上で調整できるため、省力化できる上に運用の改善も容易だ」と片山氏は指摘する。

 19年6月からは月1回をめどに技術研究所や東京の本部スタッフと使用状況を検証する運用会議をスタート。より適切な運用に向けて調整を進めていく。

ダイダン四国支店「エネフィス四国」の建築概要データ

  • 所在地:香川県高松市
  • 地域区分:6地域
  • 建物用途:事務所など
  • 構造・階数:鉄筋コンクリート造・地上3階建て
  • 延べ面積: 1181m2
  • 発注者:ダイダン
  • 設計・施工者:NTTファシリティーズ、ダイダン
  • 完成:2019年5月
ダイダン四国支店「エネフィス四国」のZEBデータ(資料:環境共創イニシアチブ)
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