「建築単価ウオッチ」では、2019年4月調査の鉄骨造(S造)事務所の結果をお伝えする。先週配信したマンション同様、18年調査に基づきプライス推計値算出のベースとなる契約価格の基準値を新年度用に更新した。中央値は37.9万円で前年より下落したため、4月調査のプライス推計値は、中央値が前月比で9.2%下落している。

 建設物価調査会がS造事務所について収集した18年の東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の1m2当たり契約価格は、高位(75%)が50万4000円、中央値に相当する中位(50%)が37万9000円、低位(25%)が31万8000円だった。19年3月まで用いていた17年調査の値は、高位47万8000円、中位40万4000円、低位30万2000円。18年調査の値は17年の値と比較すると、高位と低位の値は上昇したものの、中位は下落している。契約の中心価格帯は上昇したが、やや低めの価格帯の契約が増えたことが読み取れる。各位の変化は、高位が2万6000円の上昇、中位が2万5000円の下落、低位が1万6000円の上昇だった。

 この契約価格を最新の建築コストの指数で補正し「プライス推計値」を導き出した。東京圏における19年4月のS造事務所の総工事費単価のプライス推計値は、中位が38万7000円(最新2カ月分は暫定値)となった。前月から9.2%下落し、前年同月比では7.0%下落した。

 同様に、四分位で高位のプライス推計値は51万4000円で、前月比2.0%上昇、前年同月比4.7%上昇となった。低位は32万4000円で、前月比1.6%上昇、前年同月比4.2%の上昇だった。中心価格帯を示す低位と高位が共に上昇しており、プライスは上昇傾向にある。ただし、前述した通り、中位の価格は低下しており、工事原価の上昇分を契約価格に転嫁するのが難しい状況も一部に生まれていることがうかがえる。

横軸は調査時期。金額は消費税を除く。各位置の値は特定の事例が示す単価であり、各調査年の事例とは同一ではないので留意されたい(資料:建設物価調査会)
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データの見方

建設物価調査会の建物価格情報サービス「JBCI」のデータから作成した総工事費単価のプライス推計値。東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)で建設された事務所(一般事務所、貸事務所、複合事務所)について過去の契約価格データをベースに、建築費指数(工事原価)を用いて補正したもの。実際の契約価格は、建物の規模や施工条件、設計内容、グレードなど様々な要因によって変動するので、四分位で中央値に相当する中位(50%値)の他、高位(75%値)と低位(25%値)のデータを提供する。契約価格の調査は年単位で行われ、翌年4月に集計結果が得られることから、18年調査の結果を19年4月から20年3月まで推計の基本情報として用いている。3月と4月ではベースとなる母集団が異なるため、値の差が大きくなる場合がある。最新2カ月分のプライス推計値は暫定値。詳細は建設物価調査会のウェブサイトで。

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