「建築単価ウオッチ」は今回から2019年度の情報となる。4月はプライス推計値算出のベースとなる契約価格の基準値を更新したので、この点を改めて解説する。鉄筋コンクリート造(RC造)マンションの基準値は高位(75%値)が下落し、低位(25%値)が上昇したことで、価格帯の幅が狭まっている状況が読み取れた。中央値は31万5000円でやや上昇した。

 建設物価調査会がRC造マンションについて収集した2018年の東京における1m2当たり契約価格は、高位(75%値)が34万1000円、中央値に相当する中位(50%値)が31万5000円、低位(25%値)が28万8000円だった。前月までプライス推計値の算出に用いていた17年調査の契約価格は、高位が35万6000円、中位が30万9000円、低位が27万4000円。18年における契約価格は、17年に比べて高位が低下し、低位が上昇したため、価格帯が狭まっており、一定の価格帯に収れんする傾向が読み取れる。中位については、やや上昇した。

 18年度におけるマンションの工事原価は、緩やかに上昇する傾向にあった。一方で、契約価格はそれほど上昇していないことから、建設会社は原価の上昇分を契約価格に上乗せできていない可能性がある。

 ここからは、東京における19年4月のRC造マンションの「プライス推計値」をグラフで見ていく。4月は、中位が31万9000円(最新2カ月分は暫定値)で、前月比で0.6%下落した。前年同月比では0.9%の上昇である。高位は34万5000円で、前月比が6.8%下落、前年同月比が5.2%下落であった。低位は29万2000円で、前月比が2.5%上昇、前年同月比が3.9%上昇だった。

 なお、4月はプライス推計値算出のベースになる契約価格の基準値を切り替えることから、グラフが不連続になる。おさらいのため、改めて算出方法を説明しておく。

 プライス推計値は、過去の契約価格をベースに、最新の建築コストの動向を勘案して補正している。ベースとなる契約価格は、年単位で調査している。18年1月から12月までの着工データを集計した18年調査の結果を、19年4月から20年3月まで推計の基準値として用いる。この基準値に最新の建築コストの指数で補正して「プライス推計値」を導き出している。プライスとコストの動向が等しければ、基準値変更前後の変化は小さいはずだが、実際は動向が異なる。3月と4月で値に差が生じているのは、このためである。

横軸は調査時期。金額は消費税を除く。各位置の値は特定の事例が示す単価であり、各調査年の事例とは同一ではないので留意されたい (資料:建設物価調査会)
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データの見方

建設物価調査会の建物価格情報サービス「JBCI」のデータから作成した総工事費単価のプライス推計値。東京都内で建設されたマンション(分譲、賃貸、ワンルーム)について過去の契約価格データをベースに、建築費指数(工事原価)を用いて補正したもの。実際の契約価格は、建物の規模や施工条件、設計内容、グレードなど様々な要因によって変動するので、四分位で中央値に相当する中位(50%値)の他、高位(75%値)と低位(25%値)のデータを提供する。契約価格の調査は年単位で行われ、翌年4月に集計結果が得られることから、18年調査の結果を19年4月から20年3月まで推計の基本情報として用いている。19年3月と4月ではベースとなる母集団が異なるため、値の差が大きくなる場合がある。最新2カ月分のプライス推計値は暫定値。詳細は建設物価調査会のウェブサイトで。

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