建設分野でのAI導入の失敗を取材

 地方における技能者不足などに備えて、ベトナムでの人材育成に注力する建設コンサルタント会社の会長も紹介しました。ベトナムの学校と難しい交渉を繰り返し、日本で建設関連の企業への就職を希望する若い人材を育成する仕組みを構築したのです。育成した人材は、日本各地の様々な建設会社などで活躍し始めています。

 この建設コンサルタント会社では既に、売上高の15%を海外での人材育成に関連した事業が占めています。今後は、この仕事を足がかりにして、ベトナムで本業の建設コンサルタントの仕事を受注する狙いも掲げています。

 特集記事ではほかにも、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を扱える人材を積極的に育てている建設コンサルタント会社のベテランや建設会社で民間市場向けの土木技術開発を進めているベテランなどを紹介しました。

 日経コンストラクション10月14日号では、i-Constructionの政策の拡大によって、建設の分野で増えつつあるAI(人工知能)の導入に関する記事も用意しました。トピックス「闇雲なAI導入が招く失敗」です。

 建設産業界では、生産性向上のツールとしてAIに注目が集まっています。「AIを使って生産性を改善したい」と考える企業経営者は少なくありません。

 ただ、こういった抽象的な要望だけでAIを用いた技術開発を進めると、思ったような成果はまず得られません。実施したい目的や目標が不明確だからです。AIはあくまでも技術ツールにすぎません。使い方が明確で、技術の特性を生かせるような領域でなければ、十分な成果は期待できないのです。

 トピックス記事では、いい加減なAI導入がもたらすリスクを浮き彫りにするとともに、AIを用いた生産性向上の取り組みを成功させるために必要な条件をあぶり出しています。記事には建設分野におけるAI活用に関連した最新の業界地図も掲載しています。業務におけるAI導入を検討する際に役立つ資料となるはずです。

 さらに10月14日号では、巨大な建設現場を2つ紹介しました。1つは巻頭コラムのズームアップ「耐用125年橋を短工期で架設」です。カナダ・モントリオール市に架かる長さ3.4kmのサミュエル・ド・シャンプラン橋を取り上げました。北米でつい最近完成したばかりの橋で、近年では指折りの巨大プロジェクトです。

日経コンストラクション2019年10月14日号のズームアップ「耐用125年橋を短工期で架設」(資料:日経コンストラクション)
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 幹線道路を成す道路橋の老朽化に伴って建設された橋に求められた耐用年数はなんと125年。ズームアップでは、高い要求性能の巨大な橋の建設を短工期で実現した工夫の数々と長寿命化を図った方法などを詳しくリポートしています。

 もう1つの巨大プロジェクトは大阪の中心地で進む都市開発である、うめきたプロジェクトです。連載「KANSAI 2025」で紹介しました。JRの新駅を建設する現場を豊富な写真を通じてお伝えします。どうぞ、日経コンストラクション10月14日号でご確認ください。

出典:日経コンストラクション、2019年10月14日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。