日経コンストラクションが1989年に創刊して30年の節目を迎えた2019年。9月23日号では、未来を展望する企画を掲げた2本の特集を用意しました。

 1本目の特集は「未来の道路」。その直球のタイトルからも分かるように、これからの道路像を探ってみました。未来の道路といっても、単純に舗装材料の高機能化、柱や梁、床版といった構造材料の高品質化、施工の省力化、維持管理の合理化といった従来の延長線上での将来像ではありません。

日経コンストラクション2019年9月23日号の特集1「未来の道路」(資料:日経コンストラクション)
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 道路の使い手である自動車や自転車をはじめとする移動手段、つまりモビリティー側の変革から道路の将来像を捉え直したのです。

 世界では、自動運転車の技術開発競争が激化しています。そして、その流れを受けて、道路インフラの改革を提案する動きが現れてきました。端的な例が、米グーグルの親会社であるアルファベットの傘下にあるサイドウォークが、カナダのトロントで進めようとしている都市開発です。

 サイドウォークは、トロント市内での都市開発に際して、自動運転車の普及を見越した新しい道路の使い方を提示しています。自動運転車はあらゆる道路を通行できるようにする半面、歩行者優先の道路、自転車優先の道路などをきめ細かく分類。自動運転車の制限速度を道の特性に合わせて調整するなど、道路の使い方を再定義したのです。

 通行量の変化にも柔軟に対応し、時間帯に応じて1つの道路を、自動運転車の乗降場と公共空間とに使い分けるといったアイデアを盛り込んでいます。