外国人労働者を巡る動向も

 維持・補修に関連した事業も、建設会社にとって魅力的な市場となってきています。特に高速道路会社が発注する床版の取り換え工事は、比較的規模の大きい建設会社の受注を支えています。

 日経コンストラクションでは、維持・補修工事の売上高が大きい会社について、大規模更新・修繕計画が始まる前の13年度と最新の18年度の調査データを比較してみました。すると、18年度の調査で売上高の上位に名を連ねた建設会社の8割以上が、維持・補修の売上高を伸ばしていたのです。

 海外の事業では、アフリカが新たな市場として浮上してきました。国土交通省は、2019年のインフラシステム海外展開行動計画において、今後3、4年に注視すべきプロジェクトを選定しましたが、そのうち15%ほどはアフリカの案件でした。

 特集では他にも、山岳トンネルやダム、地盤改良といった工事分野別ごとに売上高を集計し、ランキングとしてまとめています。どの建設会社が、これからどういった分野で力を発揮するのか、参考にできる資料だと考えます。

 人手不足が建設会社にもたらした変化は、研究開発への投資だけではありません。9月9日号では、人手不足に関連したもう1つの動きを紹介しています。トピックス「迫られる外国人技能者の待遇改善」です。

 国土交通省は、2023年度までに建設分野で4万人の外国人技能者を受け入れる計画を立てました。建設業界で働く外国人は、技能実習生、外国人建設就労者、特定技能という区分で整理されています。このうち、特定技能は19年4月に施行した改正入国管理法で創設した在留資格です。

 特定技能の資格を持つ労働者は、技能実習生と異なり、一定以上の能力が保証されています。現場で即戦力として期待できる人材です。そのため、賃金を同レベルの技能を持つ日本人と同等以上に設定するなど、一定の待遇で迎えることが要件となっています。外国人で人手不足を補おうとしても、その会社で働く日本人の就労条件自体が悪いと、外国人労働者に見向きもされなくなるかもしれません。

 9月9日号の巻頭コラム、土木のチカラでは、「分断された街をつなぐ『橋脚の道』」と題し、高速道路の高架橋下を公共空間として用いたカナダの事例を取り上げました。冬季にはスケート場にも変身するユニークな空間です。豊富なグラビアとともに、ご覧ください。

日経コンストラクション2019年9月9日号の土木のチカラ「分断された街をつなぐ『橋脚の道』」(資料:日経コンストラクション)
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出典:日経コンストラクション、2019年9月9日号
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