建設産業界のデジタル化で、長きにわたってキーワードとなってきたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)。先行して導入されつつも、まだまだ普及が十分に進まない建築界を追い上げるように、土木界でのCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入が始まっています。

 CIM はBIMと表現こそ違いますが、中身はBIMとほとんど変わりません。いずれも単なる図面の3次元化ツールではなく、建設生産プロセスをデータ化して、計画から維持管理に至るまでの業務を効率化するためのテクノロジーです。

 日経コンストラクション6月24日号の特集「どうする?原則CIM化」では、国土交通省がモデル事業などで取り組みを進めているCIMの最新動向に着目しました。

日経コンストラクション2019年6月24日号の特集「どうする?原則CIM化」(資料:日経コンストラクション)
[画像のクリックで拡大表示]

 国交省では、2025年に全直轄事業で原則としてCIMを適用する方針を掲げています。そのための基準整備なども急ピッチで進めています。BIMの普及は必ずしも順風満帆ではありませんが、国が本気で進めるのであれば、CIMの普及は早いかもしれません。

 特集では、こうした国の動きを分かりやすく解説したうえで、CIMの導入コストをはじめ、まだCIMとの関わりが薄い方が抱きそうな基本的な疑問にお答えするQ&A集も掲載しています。

 さらに、国交省が進めるモデル事業での具体的な取り組みを基に、「CIMを用いるとどのようなことができるのか」「仕事の流れがどのように変わるのか」といった点を解説しています。

 特集で取り上げたCIMの活用事例を見ると、今後、この分野に真剣に取り組むところとそうでないところの間には、埋め難い差が生じると感じられます。様々な企業の先進的な取り組みを通じて、今後のデジタル化への備え方を考える材料にしていただければと思います。

若手教育や自己研さん向けのコンテンツも

 6月24日号ではトピックス記事として「コンクリート診断士試験直前対策」も掲載しています。約1カ月後に迫ったコンクリート診断士の試験は、実は今年から試験の内容が少し変わります。コンクリート診断士の資質などを問うていた問題Aがなくなり、構造物の診断に関する問題だけに変わるのです。

 コンクリートの劣化や診断、補修などについての知識をよりしっかりと学んでおく必要がありそうです。トピックス記事では、試験前に確実にしておきたい用語などを整理しています。試験を受験する方だけでなく、若手技術者の知識の整理にも役立ちますので、若手指導や自己研さんのツールとしてご活用ください。

 同号の表紙を飾った現場を紹介しているのは、ズームアップ「堤体全域にコンクリートを自動運搬」です。岩手県内に建設している簗川ダムをリポートしました。

日経コンストラクション2019年6月24日号の表紙(資料:日経コンストラクション)
[画像のクリックで拡大表示]

 この工事では、コンクリートの製造から打設位置への運搬までを全て自動でこなしています。軌索式ケーブルクレーンを用いた初のシステムについて、詳しく紹介しました。本コラムを担当している大村拓也氏が撮影した工事風景は圧巻です。記事とともに、大サイズで豊富に掲載した写真もお楽しみください。

出典:日経コンストラクション、2019年6月24日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。