梅雨や台風など雨や風の気になる季節が近づいています。2018年は、西日本豪雨や台風21号をはじめ、大規模な被害をもたらした災害が続きました。令和元年となる19年は、平穏な天候となるよう願っていますが、これまでの経験を踏まえた備えを怠ることはできません。

 日経コンストラクション19年5月27日号の特集「二度と出すまい『最悪の被害』」では、西日本豪雨や台風21号といった大規模災害を踏まえて防災面で進みつつある取り組みや試みを、数多く紹介しました。記事で紹介した事例を知っていただければ、今後の風水害、土砂災害への備え方、未来の防災像が見えてくるかと思います。

日経コンストラクション2019年5月27日号の特集「二度と出すまい『最悪の被害』」(資料:日経コンストラクション)
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 例えば砂防施設。大雨などで多発する土砂災害を防止する目的で、以前から整備されてきた施設ですが、新たな動きが出ています。流木対策です。西日本豪雨で流木が橋に引っ掛かって流れをせき止めたり、構造物を損傷させたりする映像が記憶に残っている人は多いのではないでしょうか。

 国内の堰堤の多くは土砂をためる不透過型です。しかし、この方式だと、満砂状態となった堰堤の上を、大雨の際に流木がすり抜け、下流で大きな被害をもたらします。こうした被害を抑えるために、流木を食い止める「流木止め」を付加する取り組みが始まっています。不透過型の堰堤の小規模な改修で対応できるので、ストックを活用した機能改善が実現しやすくなります。

 柔構造物であるワイヤネットを活用したハード整備にも注目が集まってきました。軽くて設置しやすいので、重機の搬入などが困難で対策が十分に進められなかった小規模渓流にも適用できます。新しい発想の採用によって、防災対策が進化を遂げているのです。

 特集では砂防施設だけでなく、橋やため池といった施設での土砂対策の動向、高潮がもたらす堤外地の被害を防ぐ取り組みなど、風水害に関連した最新の情報を幅広く紹介しました。今後の防災対策を見つめ直す材料がそろっていますので、特集記事でご確認いただければ幸いです。