土木技術者とは切っても切れない関係にあるのが資格です。設計者なら技術士やRCCM、施工者なら1級土木施工管理技士やコンクリート技士など、各自の専門に合わせて資格を取っていくことが、キャリア形成のうえで欠かせません。

 建設投資が減った時代に採用を抑制した結果、建設業界では働き盛りである40歳前後の中堅技術者の数が不足しています。一方、最近では若手の入職者が増えてきました。彼らに早く一人前の技術者になってもらうために、教育・研修に力を入れている会社や組織が多く、「若手に資格を取らせよう」という機運が高まっています。

 日経コンストラクションでは毎年この時期に、資格の取り方に関する特集を組むことが多いのですが、こうした背景から、今年は資格を「取る側」だけでなく、「取らせる側」である上司や先輩にも参考にしてもらおうと考えました。そこで企画したのが、2月11日号の特集「資格で若手を強くする」です。

日経コンストラクション2月11日号特集「資格で若手を強くする」から
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 例えば技術士の第二次試験では、知識の量よりも論文を書く力が求められます。文章の巧拙もさることながら、技術的な知見や自分の考えを論理的に、かつ分かりやすく説明できることが重要です。その訓練のために、若手の書いた過去問題の答案を上司や先輩が添削するというのが、一般的な方法です。

 それにとどまらず、日ごろの業務を試験対策に有効に生かしているのが国際航業です。同社では昔から、若手向けに日常業務の文書の添削指導をしています。添削の対象は技術提案書や業務報告書だけでなく、発注者との協議の議事録や打ち合わせ資料にも及ぶそうです。この指導でめきめきと力を付け、複数の部門・科目で技術士の資格を取得した若手社員もいます。特集記事ではこうした例をはじめ、資格を取るための勉強法や時間のつくり方の工夫、指導に当たった上司・先輩の考え方などを紹介しています。

 国際航業の取り組みは日常業務を資格取得に生かしている例ですが、逆のパターンもありそうです。資格を取るために論文を書く訓練をすれば、物事を論理的に考え、分かりやすい書類を作るのにも役立つはずです。資格を取ろうと前向きになっている若手は、日常業務の書類作りにも熱が入るでしょう。先輩や上司は、若手の資格挑戦をスキルアップのいいきっかけと捉え、資格取得を支援しながら若手を鍛えることもできるのではないかと思います。

 さて、特集記事の巻末には、技術士やコンクリート診断士といった“定番”資格のほか、最近人気が急上昇している道路橋点検士やインフラ調査士など、計22の資格の取得ガイドを掲載しました。若手にどんな資格を取らせるか、ぜひ参考にしてみてください。

出典:日経コンストラクション、2019年2月11日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。